交流戦後を占うジョンソンのソフトバンク戦

 昨年の日本一・日本ハムと、今季パ・リーグの首位を走る楽天とのビジター6連戦は、4勝2敗と上々の結果で終わった。4連勝後の連敗で後味が悪いのは確かだが、それでもゲームが大きく崩れての連敗ではないので全く心配することはない。

 先週の6試合で個人的に最も注目していたのは、9日(金)の楽天1回戦(koboパーク宮城)で先発したジョンソンの投球だった。3月31日の今季開幕戦で投げて以来、1軍のマウンドは約2カ月ぶり。ファームで3度先発し、準備を整えての登板だったが、まだ本来のジョンソンには戻りきっていない印象は受けた。彼のいい時は、右打者のインサイドに食い込むカットボールにキレがある。速球のスピードも140キロ後半が常時出るので、アウトサイドへのチェンジアップが有効になる。このコンビネーションこそジョンソンの持ち味なのだが、変化球、速球共にばらつきがあり、良化途上をうかがわせた。

 それでも6回を2失点にまとめるあたりがさすがだ。自分が思い描いている投球とは違っても、致命的な点をやらないのがエース級の投手。パの首位チームを相手にあれだけの投球ができたのだから、本人も自信を持っていいし、万全を期して送り出した緒方監督も一安心だったに違いない。見ているこちらもホッとした。このジョンソンが帰ってきたのはカープにとって朗報以外の何ものでもない。翌10日の野村、11日の中村祐も勝ち星こそ付かなかったものの、ジョンソンの好投に刺激を受けて先発としての役割は果たした。日本ハム戦で投げた薮田、大瀬良、岡田を加えた先発の6枚はリーグ屈指と言っていいだろう。

 ビジターでの6連戦が終わり、交流戦も今週の6試合を残すのみとなった。昨年のカープは最終週に6連勝して25年ぶりのリーグ制覇に勢いをつけたのだが、今年はどうか。交流戦後を占う意味で試金石となるのが、16日(金)のソフトバンク1回戦(マツダスタジアム)だと思っている。明日13日からのオリックス3連戦(マツダスタジアム)を最低でも2勝1敗で勝ち越し、パ・リーグで最も強力な打線を擁するソフトをマツダで迎え撃つ。その初戦の先発はおそらく復帰2戦目となるジョンソンだろう。内川、デスパイネを故障で欠く打線とはいえ、リーグでも指折りの強力打線である。これをジョンソンがどう抑えるか。本来の力を発揮して抑え込むことができれば、交流戦後も彼を中心にしたローテーションになっていくに違いない。注目ポイントは「右打者の内角へのカットボール」。ここをじっくり見ていただきたい。

 13日(火)のオリックス初戦は三次だが、それ以降は「ほぼ負けない」マツダスタジアムでの5連戦になる。打線が少し下り気味になってきてはいるが、本拠地に戻ればまた違ってくる。ただ、一発頼みの大味な野球ではなく、足を絡めて1点1点積み重ねていく野球をすることが肝要だろう。地に足をつけ、まずは3連敗を阻止してもらいたい。

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