最下位竜に痛恨3連敗のコイ投がみせた明暗

 ナゴヤドームでの中日3連戦(19~21日)は本当に意外な結果に終わった。マツダでのDeNA戦に勝ち越して名古屋へ移動。今月初めに3タテを食らわした最下位相手だけに与し易しと思っていたら、初戦に延長サヨナラ負けを喫し、次が1点差の惜敗。さらに最終戦はミス連発で痛恨の3連戦3連敗となってしまった。ミスが失点につながるケースが数多く見られた1週間だった。

 特に21日の中日9回戦。会沢の野選や送球ミス、安部のミスなどで失点を重ねたのだが、戦いぶりをつぶさに見ていると相手の中日が「カープ的な戦い」をしていたように感じた。1番・京田、2番・亀沢、3番・大島まで足のある打者が揃い、これが見事なまでに機能した。四死球や失策からチャンスを作り、そこに足を絡めて点に結びつける。これは昨年リーグ優勝を果たしたカープが得意とする攻撃パターンだった。最下位の中日にお株を奪われた形になったが、ここでもう一度自分たちの“野球スタイル”を見つめ直すべきだろう。

 2勝4敗と負け越したこの1週間で特に印象的だったのは、18日のDeNA8回戦(マツダ)で先発し、プロ2勝目を挙げた4年目・中村祐の「修正能力」だった。立ち上がりは緊張からかテンポが悪く、ストライクとボールがはっきりしていたが、二回走者なしの状況でもセットから投げることによって徐々に持ち直した。受ける会沢も取ってすぐ返球するなど、バッテリーでテンポアップをし、リズムをつかんでいった。後に畝投手コーチに「セットはベンチの指示ですか?」と聞いたら「指示は出していない」とのこと。中村祐が自らの意志で修正し、結果を出したのだった。

 中村祐は打撃でもプロ初安打を記録し、さらには相手守備がもたつく間に三塁を陥れるなど好走塁をみせた。ただ投げるだけでなく、それ以外でも高い意識を見せたことは、他の投手にもいい影響を与える。投手はフィールディングやカバーリング、牽制なども決して疎かにしてはいけない。中村祐の姿に改めてその事を考えさせられた。

 この中村祐が「明」とすれば、21日に2敗目を喫した福井は「暗」と言わざるをえない。今季3試合目の登板になったが、立ち上がりの不安定感は相変わらず。「自分が何とか…」という強すぎる思いが裏目に出ている。毎回いい投球はできないにせよ、もう少し自分の立場を考えた投球をしないといけない。先発陣の中では最年長で、若い投手たちを引っ張っていかないとダメな立場にいる。彼は「6回3点でOK」という投手ではない。中村祐以上の高い意識を持ってマウンドに上がってほしい。

 昨年までの守護神・中崎が復帰間近で、左腕エース・ジョンソンにも復帰の道筋が見えてきた。今月は苦しい状況が続くが、もう一踏ん張りだ。

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