四球禍で首位陥落の鯉投がまずすべきこと

 本拠地マツダで中日に3連続逆転勝ちしたと思ったら、敵地甲子園で阪神に連続逆転負けからの3連敗。まさに“天国と地獄”を味わったゴールデンウィークの緒方広島だった。3勝3敗の五分で終えたとはいえ、甲子園での3連敗は実に痛い。5日の7回戦でまたもや制球難を露呈し、2軍降格となったドラフト1位・加藤からの悪い流れを最後まで断ち切ることができなかった。

 原因は言うまでもなく「無駄な四死球」に他ならない。2日の中日4回戦(マツダ)が2四球、翌3日の5回戦も2四球で共に勝利したが、4日の6回戦は逆転勝ちを飾ったものの、先発・大瀬良の4個を含む6四球と荒れた。そして、加藤が乱れた5日の阪神7回戦が9個で、9点差を大逆転された6日の8回戦が8個。先頭打者への四球、2死走者なしからの四球がことごとく失点につながった。四球の出し方には加藤のように技術面に問題のあるパターンと、岡田や薮田のようにメンタル面が影響するパターンの2種類がある。現状のカープ投手陣は後者。打たれたくない意識が強すぎて慎重になってカウントを悪くし四球を与え、四球を与えたくないという意識から制球が甘くなって痛打される-。完全な悪循環に陥ってしまっている感じだ。

 自分も経験があるが、長いシーズンの中では失敗が続く時期が必ずある。しかし、それを引きずっていては商売にならない。素早い切り替えが必要。若い投手陣に言いたいのは、まず「どんどんストライクゾーンに投げていく意識」と、後ろで守ってくれている野手陣に対して「闘う姿勢」を見せてほしいということ。4月前半の10連勝時にはそれができていたし、これからもきっとできるはずだ。甲子園での3連敗で首位から転落したとはいえ、まだ貯金は6つもあるし、慌てる必要は全くない。もう一度、投手陣と野手陣の結束を固めて連敗脱出を図ってほしい。

 7日の阪神9回戦では完封負けを喫したものの、打線の方は決して悪くない。足に不安のある菊池が不在で2番に安部や堂林を入れるなど、緒方監督はこの時期に様々な打順を試しているように思える。レギュラーに適度な休養を与え、控え組のモチベーションを上げる意味においていいやり方だと思う。また、投手起用でも思い切った采配が大事だろう。中田や薮田など、勝ち試合、負け試合に関係なく登板してきた投手たちの疲労も目に見えて出始めている。一人の投手に負担がかかるのは今後極力避けたいところだ。豊かな発想でこの難局を乗り切ってくれることを切に望みたい。

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