3勝3敗の五分も収穫多き1週間

 巨人のエース・菅野に完封負けを喫してスタートした先週(4月25~30日)の6連戦は、3勝3敗の五分に終わった。最後のDeNA6回戦(30日・横浜)は、序盤の大量失点も打線の奮起で1点差まで詰め寄った。敗れはしたが、カープらしい粘り強い攻撃を見せた。まさに「敗れて強し‼」で、悲観することは全くない。

 先週最も印象的だったのは、打線に関する『緒方監督の決断』である。4月18~23日までの6試合が打線の低調で2勝4敗だったことを受け、さっそく“外科手術”に着手。新井とエルドレッドをスタメンから外し、4番に鈴木を入れた。25日の巨人4回戦(マツダ)こそ機能しなかったが、続く26日の5回戦では下位打線が大竹を攻略。途中出場の新井、エルドレッドもそれぞれ安打を放つなど結果を残した。4番の鈴木もDeNA3連戦で2試合連続本塁打を記録して調子を上げてきたし、2年目の西川も代打でプロ初アーチと控え組も相応の働きをした。固定観念にとらわれず、柔軟性を持たせた打線に組み替えたのは、長いシーズンを戦っていく上で大きな意味がある。この点だけでも『収穫の1週間』だったと言えよう。

 そんな収穫の最たる選手が、27日の巨人5回戦(マツダ)で2年ぶりの先発白星を飾った大瀬良だった。毎回のように走者を塁上に背負い、周りには苦しい投球のように見えたに違いない。だが、球威のある真っ直ぐを中心に、押すところは押していた。ピンチで敵の主砲・阿部を見逃し三振に仕留めた内角速球などは本当に素晴らしかった。開幕から1、2試合はリリーフ投手的な入り方をしていたが、ここにきて本来の「先発投手」の姿になってきた。ボール球が多かったのが課題ではあるが、速球を主体にしたストライク先行の投球ができれば、自然と球数も少なくなり、もっと安定感が増すはずだ。

 一昨年の途中に先発から中継ぎ、抑えに回り、ここという場面で脆さをみせた。昨年は“ポスト・マエケン”と言われながら開幕前の故障で出遅れ、復帰してからも中継ぎで辛抱を続けた。そんな忍耐の日々を経て、今年は開幕から先発ローテーションに入った。精神的にも成長をした大瀬良に期待する部分は本当に大きい。巨人に勝ったこの1勝は、大瀬良自身にとってもチームにとっても大きい。安定感のある野村、今年すでに3勝を挙げて圧倒的な存在感を見せ始めた岡田と共に、今後は頼れる軸になっていくに違いない。

 3、4月を16勝10敗1分で終え、5月戦線に入っていく。左腕エース・ジョンソンとクローザー・中崎を欠く中でのこの数字は、素直に評価していい。ドラフト1位ルーキー・加藤と九里が調子を落とし、先日初勝利を飾った福井が再び2軍落ちした現状ではあるが、その他の投手陣はよく健闘している。全員が揃うまで「忍」の一字。5月は耐え忍ぶ月になる。

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