高知・山下 キャプテンとして優勝最優先でチームをけん引

 【高知・山下和則内野手】文=高田博史

 山下和則が高知に入団したのは2013年。今年6年目のシーズンを迎える。

 だが、6年目に入るためには条件があった。昨年10月、駒田徳広監督(元巨人ほか)から告げられている。

 「来年やるんだったら、キャプテンじゃないとやらせないよ」

 もちろん承諾はしたものの、胸のうちには不安しかない。そう考えてしまう自分なりの理由があった。

 「いままでのキャプテンを見てきて、言葉で説得していたので。それをやらないといけないんじゃないかっていう不安があって……」

 自分は言葉で伝えることが、あまり得意ではない。山越吉洋コーチ(元阪急ほか)らに相談すると「別に言葉じゃなくても、行動で引っ張っていけばいいんじゃない?」とアドバイスされた。迷いは吹っ切れた。

 最初の全体ミーティングで、力強く宣言している。

 「優勝だけ目指していこうってことを伝えて『負けている試合で、自分は打ってるからいいやっていう人はいらないです』って言いました」

 過去5年間、一度も優勝の喜びを経験していない。これまで素質のある選手を何人も見て来た。だが、NPBへ上がって行く選手は、いつも優勝した球団から生まれている。

 「いくら能力が高くても、優勝が最優先じゃないかと思うんですよね。だから、そういうことを言いました」

 いい選手がいるから強い。だから、スカウトが見に来てくれる。勝てば、すべてがうまく回る。

 観客動員数もそうだ。昨年、大きな話題となったマニー・ラミレス(元レッドソックスほか)はもういない。それでも強い高知の試合を球場で見てほしい。

 「自分の結果も出さないといけないんですけど、もうホントに優勝しか考えていないので。自分どうこうよりも、チームの勝ちにこだわっていきたいですね」

 駒田監督を胴上げしたあとには、自分も宙を舞ってみたい。

 自信のなさが「やらなきゃ!」という責任感に代わっている。最近、駒田監督から「いいぞ、キャプテン! 頑張ってるな!」と言われるようになった。

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