愛媛・河原監督「選手は『自分が成長するんだ!』っていうことに突き進んで欲しい」
【愛媛・河原純一監督】文=高田博史
愛媛は20日の合同自主トレから今季スタートとなる。河原純一監督(元巨人ほか)に「最初、選手たちにどんな言葉をかけられますか?」と尋ねた。
「楽しいことなんかないだろうし、苦しいことだけだと思いますよ。大げさな話じゃなくね。でも、覚悟を持ってここに来てるんだろうから、しっかり9月、10月までやり抜いてほしいですよね。まず、その気持ちがなかったら、夢のまた夢ですよ。NPBなんて」
昨年、初めて監督に就任したが、球団の優勝も、選手のドラフト指名も果たせなかった。だが、そんな簡単な話ではないことなど最初から分かっている。
コーチとして選抜チームに参加した宮崎でのフェニックス・リーグで、四ツ谷良輔、古川敬也(元愛媛、共に昨季限りで引退)らは、NPBの若手に交じってもまったく遜色ないと感じた。だが、それとドラフト指名されるかどうかは別の話だ。
「実際、それぐらいのレベルまで到達してる選手も出てきている。もちろんドラフト指名が大事なんだけれども、そればっか悲観しててもね。そういうふうに伸びる選手は伸びてるわけだし」
外国人選手も含め、レベルの高い選手のなかで競争させないと、勝つこともできなければうまくもならない。上に行くためにはこの競争に勝ち抜くしかないのだ。愛媛でレギュラーなのは当然、選抜メンバーに選ばれるようでなくては。
投手にはまず、140キロのボールが投げられることを求める。スピードだけがすべてではないが、それがないとドラフト候補として土俵に上げてもらえない。
「負けていいなんて思って試合やるわけじゃないし、もちろん優勝ってものに向かって進んでいく目標はありますけど。選手は『自分が成長するんだ!』っていうことに突き進んで欲しいよね。それをどうにかまとめてチームにするのは、僕らの仕事であってね」
大学時代、自分よりいいと評価されている投手がいれば、悔しくて仕方がなかったのだと言う。愛媛の選手たちに持ってほしいのは、そういう悔しさをもって野球をする気持ちである。