香川・石田 いつでも登板OK!精神面の成長を実感する2年目
【香川・石田哲也投手】文=高田博史
石田哲也が対巨人3軍2回戦(8月28日、四国Cスタ丸亀)での先発登板を申し渡されたのは、本番3日前のことだった。
たった1イニングとは言え、25日の対愛媛戦(今治市営)でマウンドに登っている。中2日での登板に、じっくり調整している暇などなかった。
「僕としては最少失点でいこうと。そんな三振バンバン取るようなピッチャーじゃないので。低目に投げて打たせて、フォアボールを少なくという感じで」
後期に入りコントロールには自信を持っている。今治で投げた感じも悪くなかった。自分のできることをやって、あとは結果がどうなるかだ。そう思っていた。
完投は意識せず、1人1人を全力で抑える。6回を投げ1失点(自責0)で見事3勝目を手にした。緊張する時間が少なかった分、うまく開き直ることができた。
「そっちの部分が大きかったですね。『ダメで元々!』ぐらいの感じでしたから」
2年目を迎え、精神面の成長を実感している。マウンドであまり動じなくなった。以前は四球を出すたび「どうしよう!」と焦っていた。いまは自分を客観視する余裕がある。
珍しい球歴だ。高校では軟式、大学では同じ理工学部の学生が中心の準硬式野球部に所属していた。物理学科を卒業している。
「投球フォームに物理を生かしたことですか?ないですね(笑)」
メジャー・リーグでコンディショニングコーチの経験もある立花龍司氏の下で長くトレーニングを続け、アイランドリーグ入りを勧められた。香川に入団し、顔を真っ赤にして打撃投手を務める姿を何度も見ている。ようやく硬球が手にしっくりくるようになった。
伸びのあるストレートで、どんどん打者を抑える。分かっていても打てないボールを投げたい。
「僕のなかではまだまだ伸びると思っているので。自分と向き合って、自分のできることをやりたい」
9月に入り、後期優勝争いはいよいよ佳境を迎える。チームに貢献できるように-。いつでもマウンドに登る準備はできている。