愛媛・ポロ 昨年4冠-ファンの応援を背にNPBに返り咲く
【愛媛・ポロ内野手】文=高田博史
東京・大田スタジアム。スタンドにいた観客の1人が突然、声を上げた。
「ほら!あれ、ポロだよ!楽天にいた。体、大きくなってるなあ。あんな細かったのに」
ポロが楽天の育成選手として来日したのは、2013年のことだ。同年6月に自由契約となったが、15年から愛媛の一員となり、日本で挑戦を続けている。
昨年は後期MVP、年間MVP、首位打者、ベストナインの4冠に輝き、愛媛のリーグ連覇に大きく貢献した。
6月20日から3日間、アイランドリーグ選抜が東京に遠征して行われたフューチャーズ(イースタン・リーグ混成)との3連戦に参加した(第2戦は雨のため中止)。
本領を発揮したのは第3戦(22日)だった。5番・三塁手として出場し、左中間を破る三塁打など3安打、2度の本塁生還を果たす。
「スタンドのファンが、体が大きくなったって驚いていたよ」と声を掛けると「筋肉が増えたからね」と笑った。当時と比べて体重は、14キロも増えている。
彼もまた、ほかの日本人選手と同じようにNPB入りを目標とする。
「去年、首位打者と年間MVPを獲ったけど、NPBには行けなかった。バッティングはいいと思う。でも、もうちょっとホームランがほしい」
複数安打が増え、打率3割に乗った5月中旬「どうして調子が良くなったの?」と尋ねたことがある。
「練習も真面目にやっているし、ピッチャーが投げて来るボールを自分なりに考えて、それに対してすごく集中できているから」と答えていた。
コンディションは悪くない。この3年間で、三塁手としての守備にかなりの自信が付いた。自慢の打撃と俊足に、さらに磨きをかける。日本語で力強く言った。
「セカンドシーズン、ガンバッテ。ホントニ」
たくさんのパイレーツファンから愛される存在だ。
「いつも『頑張って!ファイト!いける!いける!』と応援してくれる。ワタシ、エヒメファン、ダイスキ」
すでに日本が、愛媛が、第2の故郷である。