愛媛・古川「覚悟の2年目」 食事、トレーニング…生活のすべてを野球に費やす
【愛媛・古川敬也外野手】文=高田博史
就職した会社を辞めてまでして飛び込んだアイランドリーグである。
だからこそ昨年の優勝報告会の席で、古川敬也が来季の去就について「まだ分かりません」と言ったとき、信じられなかった。
「迷ってたのは、あまりにも数字が低すぎて。『あれ、オレってこんなもんやったか……?』って」
打率・226、2本塁打(16年)の成績は、本来持っているポテンシャルを出し切ったとは言えない。
去り行く弓岡敬二郎前監督(現・オリックス育成統括コーチ)の激励が、再び闘志を呼び起こした。覚悟をもって2年目のシーズンに臨んでいる。
きょう調子が良くても、翌日にはそれが続かない。なぜ1日ごとに状態が変わってしまうのか。それが昨季感じていた課題だった。
最初に見直したのは食事面である。これまで以上に食べ物、飲み物に気を使い、サプリメントも摂取するようになった。勧められてはいたが、やっていなかった初動負荷トレーニングも始めた。生活のすべてを野球に費やしている。
「ホントに今年は最後だと思ってる。来年やるという考えはないので。『今年、ラスト』と考えて。やっとそうなった感じです」
コンディションに波がなくなった。心境面にも変化が出ている。厳しい連戦を「嫌だ」と思わなくなった。
ここまで打率3割半ばをキープし、本塁打も2本放っている。好調のバロメーターである、左方向への打球が多い。
ここはNPBへ上がるためのリーグだととらえている。その部分において、育成選手ではなくNPBの1軍で通用する選手を育てようとする愛媛の球団方針と合致する。
副主将として、チームを引っ張るべき立場でもある。
「河原さん(純一監督、元巨人ほか)も『1球の大切さ』っていうことをホントによく言ってる。そこを詰めるために、試合中でも厳しく言います」
6月の首都圏遠征も発表された。そこでドラフトにつながるアピールをするため、照準を合わせる。
そのために、まずは前期を戦い抜く。