徳島・瀬口 ヒット量産で父のためにも今秋のドラフト目指す
【徳島・瀬口拓也内野手】文=高田博史
徳島のルーキー・瀬口拓也が安打を量産している。
4月21日から8試合連続安打を記録しただけにとどまらず、5月に入ってから3試合連続で複数安打を放った。外国人が多くパワフルな徳島打線において、クリーンアップを任され始めている。
打撃急上昇の陰には、鈴木康友コーチ(元巨人ほか)のアドバイスがある。練習のフリー打撃で良い当たりを打とうと、つい当てに行ってしまっていた。
「『1球1球、しっかり振って。そのなかでいい打球を飛ばせるようにしろ。そういう率を残せ』って言われて。確かに試合になったら強く振るわけなので」
練習から強く振る。それを意識し続けることで、打ち損じのファウルが少なくなってきた。打席での自信へとつながっている。
大学時代、岸川勝也コーチ(現・アドバイザー、元ダイエーほか)に勧められたことが、アイランドリーグ挑戦のきっかけだった。
レベルの高さは想像以上だったと話すが、試合の多さにも慣れてきた。坂本勇(巨人)のような打てる内野手が理想だ。
「課題は守備」と言う。外野手から内野手に転向して、まだ5年目とキャリアが浅い。こちらも鈴木コーチの下で変わり始めている。
「捕球のミスはたまにあると思うので、送球はミスをゼロで。見ていて安心感のある守備を身に付けたいと思います」
考え方も変わって来た。週3回は整骨院に通う。チームメートが言った「ケガをしたら意味がない」の一言に刺激され、積極的に体のケアに努めるようになった。試合に出られる喜びが、責任感に変わりつつある。
「やるんだったらプロを目指して、全力でやりなさい」と応援してくれる父・俊二さんが、先月体調を崩して入院した。先週無事に退院したのだが、父にいいニュースを届けたい。
「ちっちゃいころから、夜遅くまで練習に付き合ってくれて。そのおかげでいまがあると思う。恩返しはNPBに行くことだと思うので。恩返しできるよう頑張ります」
目指すは今年秋のドラフト指名である。