愛媛・白方 打率4割超えでシーズン100安打達成だ
【愛媛・白方克弥内野手】文=高田博史
少しファンをやきもきさせてしまった。愛媛は対香川前期3回戦(4月16日)で、今季初勝利を挙げた。2日連続で2千人以上が入った坊っちゃんスタジアムに、ヒーローインタビューを受ける白方克弥の声が響く。いずれも適時打となった2本の二塁打を放ち、3打点をたたき出した。
「みなさん、お待たせしました!やっと勝てました!あしたもまた、熱い応援よろしくお願いします!」
地元・松山の出身だ。坊っちゃんスタジアムで試合の際は、ほぼ毎回、家族が応援に来てくれる。この日も試合終了後の“お見送り”で、祖父・政春さんとガッチリ握手を交わした。
試合終了から1時間が経ったころ、一塁側ダグアウトでジャージー姿の白方と、河原純一監督(元巨人ほか)が話し込んでいた。
昨年まで左翼手、今季は開幕から一塁手のポジションを任されている。初回、先頭打者の打球は一塁への少し弾んだ難しいゴロだった。しっかり捕球し、自らベースを踏んでいる。
「あそこで僕がエラーしてると、またゲームの流れが変わるので、もしかしたら勝ってなかったかもしれない。『しっかりゲームに入って行く準備ができているから、ああいうプレーができるんだよ』という話をしてもらいました」
昨年前期、不調で13試合しか出られなかった。だが、後期はフル出場し、打率を3割に乗せている。
「単打、単打という感じだったんですけど、二塁打、三塁打をたくさん打てる選手を目指したほうが(NPBは)近いんじゃないかなと思っているので」
目指す記録がある。過去、林真輝(05年)と藤長賢司(13年)の2人しか達成していない「シーズン100安打」だ。
「藤長さんも“固め打ち”だったり、なんとか粘って内野安打!とかが多くあったと聞いているので、毎試合1本は必ず打ちたい」
試合数が以前より少なくなり、達成への道のりは険しいが、フル出場、打率4割を超えれば可能性はある。偉大な2人は共に、愛媛MPの先輩である。