徳島・小林 少年から大人へ チームをけん引する不動のキャプテン

 【徳島・小林義弘内野手】文=高田博史

 徳島は3月13日に、6日から1週間行われた海陽町でのキャンプを終える。

 訪れたのはキャンプ3日目。戦術練習、フリー打撃と続き、全体練習の最後は坂道を利用してのダッシュだった。先頭を切って、小林義弘が飛び出していく。

 続く個人練習では内野手2人と共に、鈴木康友コーチ(元巨人ほか)からノックを受けていた。今年は一塁手ではなく、三塁手のポジションを狙う。「“平成の長嶋”を目指せ!」とハッパを掛けられていた。

 4年目のシーズンになる。昨年に続き2年連続で主将を務めることとなった。

 「“2年目”という感覚は、あまりないですね。首脳陣が大きく変わったので、また求められることも違うと思いますし。経験を生かす部分もありますけど、新鮮な部分が多いですね」

 首脳陣から「もっと声で引っ張っていけ!」と活を入れられた。これまで以上に声や態度を前に出そうと考えている。自ら先頭を走っていたのもうなずける。

 「試合を通じて、オープン戦の段階でまとまっていけていれば、開幕スタートは切れるわけなので。そこを目指してやっていきたいですね」

 養父鐵監督(元ダイエーほか)は、よく「明るく、元気に」と口にする。小林の考える「明るく、元気に」の捉え方がある。

 「負けたときにどれだけ早く立ち直れるか、ですね。日程もだいぶ厳しいので、どんどん試合が消化されてしまう。去年の反省を生かして、最後に競って焦るのではなくて、勝てる試合を確実にものにしていけば、自ずと優勝も見えて来る」

 アマチュアの一発勝負ではなく、プロのリーグ戦を戦うのだ。勝負事には勝ちもあれば、負けもある。経験の浅い選手たちに、リーグ戦の戦い方を教えていくのも先輩の仕事だ。

 徳島に来たころは、まだ19歳の少年だった。3年が過ぎ、技術はもちろん精神的にも大きく成長した。いまや名実共に「キャプテン」と呼ばれる存在になった。

 取材を終えると「気をつけて帰って下さい」と声を掛けてくれた。「変わったねえ」と返すと「大人になりました」とほほ笑んだ。

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