香川・西田監督 変革期「香川県・ファースト!」で臨む“集大成”シーズン

 【香川・西田真二監督】=文・高田博史

 発表されている練習開始時刻は午前10時である。だが、選手たちはすでに、1時間半前から外野の芝生の上で体を動かしている。これがいわゆる「ガイナーズ・タイム」だ。

 香川は近藤智勝コーチ(元香川)に加え、江村将也投手コーチ(元ヤクルト)が新たに就任した。西田真二監督(元広島)にとって、11年目のシーズンとなる。

 「人も風景も変わった。アイランドリーグ発足当時というのは『海のもの、山のもの、新参者』という感じでね。いまでこそNPBの供給源にも、指導者の雇用先にもなっている。外国人選手もNPBを目指してやって来るリーグになった」

 合同自主トレ開始の2月1日、今季のスローガンとして「香川県・ファースト!」を掲げた。新社長就任も発表され、すべてが大きく変わる時期に来ている。

 「香川県にこういういい野球チームがあるんだよ!ということをね。認知度は上がって来ているんだけど、ここからどのような方向性に進むか。ここからがまた、新たなスタートだと思っているんですけどね」

 新入団選手が13人、練習生が2人と顔ぶれも大きく変わった。特徴的なのは地元出身選手が3人もいることだ。小学校のころ、すでにガイナーズの試合を見ていた世代である。

 今年はどんなチームになるのか、尋ねた。

 「はっきり言って、まだまだ未知数なので。入団した選手に言えることは、野球が好きで入って来たわけですから。決して野球を嫌いにならないでほしいということですね」

 努力は必要だが、報われないこともあるのがスポーツだ。一流のプレーヤーも、悩みながら、苦しみながら這(は)い上がる。「野球が好きだ」という思いを持ち続けてほしい。「みんなに期待してますよ!」と言った。

 大勢の前でプレーする緊張感が選手を育てる。それは西田監督自身の礎でもある。高校野球ファンにもガイナーズを見てほしい。

 「集大成のつもりでやらせて頂きたいと思います。集大成って、1年じゃないで。2年かも分からんし。……1年のつもり?(笑)」

 監督の表情が、今年は明るい。

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