高知・平良クローザーに転向して活躍 自信を胸に社会人野球へ挑戦

 【高知・平良 成投手】=文・高田博史

 最終戦となった対徳島後期10回戦(9月16日、高知)八回のマウンドに登った平良成が、2イニングを無失点に抑える。

 この試合で高知は5連勝を収め、2位・香川と同率の、価値ある3位で後期リーグ戦を終えた。

 最もうれしかったのは、ケガなくシーズンを終えられたことだ。1年間、ドッグスの一員として最後まで投げ切ることができた。3年目の今季は、初めて先発からクローザーに転向して臨んだシーズンだった。

 「エラーだろうが何だろうが、点獲られれば負けるシチュエーションじゃないですか。1球についてすごく考えるようになりました」

 たった1球で流れが変わってしまう怖さは、先発の比較にならない。ほぼ毎試合でスタンバイしている。「いつでも準備はできている」という自覚を促すため、好きな酒を断った。

 結果は数字に出た。13セーブを挙げてセーブ王。さらにWHIP(投手の安定感を示す数値)「0・99」を評価され、特別賞の2冠に輝く。奪三振率「11・52」もリーグトップの成績だ。

 「今年はやりたいことができ始めて、自分が想像してたところを超えられたなって思います」

 昨年からのステップアップのために、スピードではなく安定感を求めた。アバウトだった投球フォームのメカニズムを見直し、人に説明できるようにした。最大の改善点は「左足をステップしたとき、右ヒジのトップ位置を固定したこと」である。

 制球力の向上で得た自信が、力まずに思い切り腕を振ることを可能にする。球速は6キロアップし、最速値は154キロを記録した。すべてが日々、試行錯誤を続けたことの賜物だった。

 ドラフトを終え、次の道へと進む決心を固めている。社会人野球への挑戦である。

 引退発表のリリースを見たとき、すっきりとした清々しさがあった。

 「アイランドリーグは自分にとって、夢を次につなげられる場所でもあったので。次につながって、良かったなって」

 挑戦は続く。「頑張ります」と笑顔を残し、高知と四国の地に別れを告げた。

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