香川・松澤 ドラフト指名115人中最後の1人…次へのアピール余念なし

 【香川・松澤裕介外野手】

 待ちに待ったドラフト会議の日がやって来た。松澤裕介は、ソワソワする気持ちを抑えられないまま、その日を迎えている。

 会議開始の3時間前、午前の全体練習を終えて「お前も独りじゃアレやろ?」と気遣ってくれたチームメートとコーヒーショップにいた。時計の針のスピードが、ますます遅く感じる。

 ドラフトが待ち遠しい。その気持ちは「きっと指名される!」という自信の表れだったのだろうか。

 「いや、そういうわけじゃなく、勝手に盛り上がってました」

 午後5時15分、スーツ姿で待つ2度目のドラフトが始まった。開始から2時間が過ぎ、指名はない。いったん休憩となり、続いて行われる育成枠ドラフト会議に向け、気持ちを切り替える。

 育成ドラフト終盤の7巡目、ただ1球団残った巨人が高校生投手を指名した。

 「……終わった」

 だが、育成8巡目、席は残っていた。今回指名を受けた115人の最後の1人である。その瞬間、会場は「歓喜」よりも「安堵(あんど)」の空気に包まれる。2006年以降、香川から11年連続となるNPBへの選手輩出が、現実のものとなった。

 昨年は興奮のなか、自分の名前が映し出された画面をまったく見ていない。今年は「松澤裕介」の4文字をしっかり見届けた。しかし、記者会見での様子は落ち着いていた昨年と打って変わっている。

 「ホント、真っ白で。何もしゃべれなかったんです。去年は周りに人も多かったから、考えるヒマとかあったのかもしれないですけど。1人で、しかも『あかん。終わりや…』と思った瞬間にバーン!と来て。呼ばれた直後にすぐ記者会見が始まって」

 12月上旬には、早くも育成選手だけでの新人合同自主トレが行われるという。

 「最初のファースト・コンタクト、大事ですよね。何にしてもベストでもっていこうと思って。そこから失速してもいいから。なんなら合同自主トレで『こいつ、めっちゃ振れてるやん!』とか」

 再びNPBへの扉は開いた。すでに次のアピールに向け、準備に余念がない。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

アイランドリーガー伝最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス