香川・松澤 巨人の育成指名辞退から1年…今年こそドラフト指名でNPBへ

 【香川・松澤裕介外野手】

 松澤裕介はいま、宮崎にいる。10月7日、中日との練習試合のためアイビースタジアムを訪れた。ちょうど1年ぶりになる。

 フリー打撃のケージを前に「ここだったなあ……」と左手に走った痛みを思い出していた。後に巨人からの育成指名を辞退する原因となる、手のじん帯を圧迫したガングリオン(腫瘤)は、あのときすでにあった。

 「去年はバッティングでアピールしなきゃいけないのに『できないからどうしよう……』みたいな感じで。『なんとかしなくちゃ!』という焦りが大きかったですね。アピールより」

 だが、今年はその心配もない。公式戦終了後、バットを振り込み、一からトレーニングをやり直し「みやざきフェニックス・リーグ」でのラスト・アピールに向けて仕上げてきた。

 打撃は好調だ。対DeNA線(6日、サンマリン)対中日戦(7日)で連続安打。対巨人戦(8日、生目の杜第2)でも2点適時打を含む2安打を放っている。

 しかし、内心は落ち着かない。

 「余裕ぶってますけどね。試合に入るときは全然落ち着いてるんですけど、ホテルに帰って来て、独りの時間が多いじゃないですか。そういうときに『早く来んかなあ……』って」

 昨年、ロッテに入団した大木貴将(元香川)との食事に出向き、NPBでの生活について質問攻めにした。育成ではなくドラフト指名でNPBへ行く。それを目標に、この1年戦ってきた。

 自分のことばかり考えていた去年とは違い、今年はチームメートの動き、他球団の同世代がどんなレベルにいるかなど、視野が広がっている。その先に「NPBの世界で何をすべきか」という意図がある。

 「ここで。フェニックスで出し切って。やりつくしてダメだったらダメだったで、指名されたら指名されたで、仏のような心で(笑)早く来てほしいですね。そっちのソワソワがあります」

 その日を心待ちにしながらも「ここで1カ月、ずっと試合をしていたい」と話す。それほど調子はいい。

 昨年、開けた扉よりも重い扉は開くのか。運命の日までは、あと10日である。

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