夏が来れば思い出す 84年オールスターの江川卓8連続奪三振

今年も来たぜオールスター!編集Wの注目は楽天の奪三振男・則本。しかしアラフォー世代にとって奪三振といえば84年・江川卓の8連続奪三振。あと1人、あと1球だったのに…

公開日:2017.7.9

「すっごく速かった。カーブの切れもよく、うまく振らされました」

9番・代打 クルーズ(日本ハム)=直球空振り

顔がわかりやすいようにと選んだのが左の写真。84年の第3戦は右写真のオレンジユニで登場した日本ハム・クルーズ

「ものすごく速かった。ボールが浮き上がってきた。代打で体が温まっていないときに、あんなボールが来たら空振りして当然だ」

※オールスターの時点で打率.348、18本塁打のクルーズが完全に白旗を揚げたこのコメント。初球高めの144キロに、いわゆる“着払い”のようなスイングが印象的だった。その後も146キロ、147キロと全部直球にかすりもせずに空振り三振。そら、こんなコメントになるわなあ。

1番・セカンド 大石大二郎(近鉄)=直球2球で追い込んだのに…首振って投げた外角カーブ当てられた

 「監督ッ!ここは代打でしょ」「ボクが三振なら、こりゃあどえらいことになる」と打席に入る前は完全に弱気だった大石。実際145キロ、146キロの直球2球で、あっという間に追い込まれる。「絶対3球勝負してくると…ストレートならまず空振り」と覚悟したが、捕手・中尾(中日)のサインに首を振って投じた江川の3球目は外角低め129キロのカーブ!バットの先にちょこんと当たった打球はセカンドに転がった。
 苦笑いかテレ隠しか、微妙な表情でマウンドを降りる江川に、解説の権藤は「最後カーブななんて江川らしくないですよ」と語ったが、当時中学生だった編集Wは恐らく江川と同じような表情をして「最後に当てられるなんて江川らしいなあ」と思っていた。

 でも実際改めて映像見返すと、大石のセカンドゴロって一塁セーフのような…

ウソかマコトか…「カーブ投げたのは10連続奪三振のため、大石を振り逃げにしたかった」

 紙面に掲載された江川本人のコメントは「カーブで外に1球はずし、4球目でストレート勝負」「ボールを狙ったのがギリギリに入ってね」というものだったが、後年テレビ番組で「10連続奪三振を狙っていたから、大石が三振振り逃げになるように捕手が取れないぐらいの外角カーブを投げるつもりだったが、ストライクになってしまった」とも語った。正直な告白かサービス精神のなせる業なのか、真相は本人のみ知るところだが、こんなコメントも実に江川らしいと思うのであった。

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