専大松戸・深沢投手の投球に脱帽「これが負けた投手の成績?」

 試合後、涙を流す専大松戸・深沢鳳介(撮影・吉澤敬太)
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 第1試合の中京大中京・畔柳投手と、専大松戸・深沢投手の投手戦はしびれました。

 試合前から畔柳投手の注目度は高かったですけど、深沢投手もめちゃくちゃいい投手でしたね。サイドスローから最速130キロ後半~140キロを超える直球を投げて、変化球の精度も高い。コントロールも間違えませんでした。

 球数は131球を投げた畔柳投手より少ない99球。安打数も6安打を打たれた畔柳投手より少ない3安打。深沢投手は詰まった内野安打が1本ありましたし、「これが負けた投手の成績なん?」という投球でした。

 ただ、残念ながら打線の援護がありませんでしたね。対して中京大中京は七回2死二塁で、櫛田選手が左翼前へ浅いライナーを放つと、飛び込んだ専大松戸の左翼・吉岡選手が届かずに後逸。ランニング2ランとなり、この2点で試合が決まりました。

 このシーンはいろんな要素が絡み合って生まれたように感じました。

 深沢投手はこのランニングホームランまで、一本も外野フライを打たせていませんでした。ゴロアウトばかりで、フライをさばいていない外野手が、試合に入り込むには難しい面があったのかもしれませんね。

 しかも、ランニングホームランが飛び出した場面は、0-0の七回2死二塁。打球もダイビングキャッチで届きそうな位置に飛んだライナーでした。

 「たられば」になりますが、専大松戸が序盤のチャンスで1点でも取れていれば、左翼・吉岡選手は無理して捕りにいかなかったのかな、と思ってしまいました。

 一方で中京大中京の櫛田選手は、六回の守備から公式戦に初出場。すぐに打球をさばいて緊張が落ち着いたのか、迎えた公式戦初打席でランニングホームラン。少しの“差”が明暗を分けたように感じました。

 ちなみにですが、千葉で高校野球の番組にも出演している“高校野球芸人”の「いけだてつや」こと、いけちゃんによると、深沢投手は一冬を越えて大きく伸びたそうです。昨秋は直球は130キロ台だったそうで。

 専大松戸は昨秋の関東大会準決勝で、高崎健康福祉大高崎に2-9の7回コールド負け。深沢投手は先発でした。敗戦の悔しさを忘れずトレーニングに励んだ成果が、センバツで発揮されたんでしょう。

 このまま成長を続ければ、畔柳投手とともに、今秋のドラフト候補になっているはずです。2人ともプロへ行って活躍したら、「あの時の試合、見てたで!!」って言える日が来るかもしれませんね。それも高校野球の一つの見方であり、楽しみ方の一つですね。

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