お兄さんがつないでくれた9年前からのご縁

 僕が行かせてもらうお店に、大阪の谷町四丁目にある「鶏プルスリー」という鳥料理さんがあります。お店をやっているのが浜石拓海君。履正社野球部出身で、ちょうど阪神の坂本誠志郎選手と同級生の選手でした。

 変わった店名で言うと、オープン前、履正社の1学年上でトリプルスリー達成者のヤクルト・山田哲人選手に「鶏プルスリーという名前でお店やらせてもらっていいですか?」と聞いたそうです。そこで「おれ、トリプルスリー代表じゃないからやれや」と認定?を受けたとかで。

 野球関係者らも足を運ぶお店で、そこで出会ったのが浜石君と同級生で、坂本選手とバッテリーを組んでいた飯塚孝史君です。履正社から大阪ガスに入社した投手で、個人的にずっと応援していた選手なんです。

 まだ飯塚君が履正社でプレーしていた9年前ですね。僕は当時から豊中市のケーブルテレビで仕事をさせてもらっていて、履正社が豊中の学校ということで、その仕事の中で飯塚君の名前を出したりしていたんです。

 そんな中、ある日の僕の難波でのトークライブ前に、ニッカポッカを履いた男の人が来ていて。ケンカでも売られるのかなと思ったら「かみじょうたけしさんですか?」と来るわけです。誰かなと思ったら「飯塚の兄なんですがケーブルテレビで弟の名前を出してもらっていてありがとうございます」とあいさつされて、タオルまでいただいて。まさかのお兄さん登場でした。

 そんな昔話を今年、飯塚君に鶏プルスリーで話したんです。「あんたを応援してるのは、お兄ちゃんがタオルを持って訪ねて来て『弟をこれからもよろしくお願いします』と言われたのがあるからや」と。飯塚君は「高校時代、兄がいろんな人に弟をよろしくお願いしますと言って回っていたのが恥ずかしかったんですが、今になってそれがどれだけありがたいことかと感謝です」と喜んでいて。

 その時、偶然お店の厨房で洗い物を手伝っていたのは、浜石君と飯塚君の同級生のチームメートで、日本新薬でプレーする正木健太郎選手でした。「誰も手伝わないからやってますわ」と言いながら、皿を洗ったりしていて。いい関係性やなと思ってたんです。

 それで先日の話になりますが、都市対抗野球に出場した大阪ガスは初戦で敗れて、それから決勝が行われた今月3日ぐらいですかね。飯塚君から「引退します」と連絡をもらいまして。僕は「これからもあなたの人生応援させてください」と伝えさせてもらいました。

 浜石君はすでに引退、飯塚君は今年引退、正木君はまだ現役とそれぞれ進む道は違っても集まる場所がある。彼らだけのつながりというのを改めて感じまして。その中で飯塚君とは僕は9年前にお兄さんが来てくれたことからの縁ですからね。

 そういった所に関わらせてもらえるのも、高校野球があったからこそで、こういう時期やからこそ余計にうれしさを感じた12月です。そしてこれが今年最後のコラムとなりました。今年一年、ありがとうございました!

  ◇  ◇

 かみじょうたけし(本名・上条剛志)1977年12月31日生まれ。兵庫県淡路島出身。龍谷大卒。血液型A型。身長170cm、体重50kg。高校野球大好き芸人として知られる。趣味・特技は競輪予想、モノマネ。

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