智弁学園・西村君の150球熱投を可能にした日々の猛練習

 甲子園交流試合が終わってから、もうだいぶ時間が経過しましたね。大会中もコラムをやらせてもらいましたが、大会3日目の中京大中京と智弁学園の試合の時には、智弁学園の先発だった2年生の西村王雅君のことを書かせてもらいました。

 大会ナンバーワン投手とも言われていた中京大中京の高橋宏斗君と最後まで投げ合った姿を見て、西村君の成長がうれしかったというコラムでしたが、その2日後のことです。大会も予備日で試合がなかった日に、智弁学園の練習を見に行かせてもらいました。

 ちょうど練習試合をされている時で、西村君はノースローで投げていなかったんです。だからどこにいるのかなと、試合に出ていない選手がいるところを探しましたが、なかなか見つからなくて。智弁学園の井元部長に教えてもらい、ようやく確認できたのが外野の奥の方の辺りでした。

 智弁学園では外野の奥に校舎があるんです。その校舎の前に陸上部がダッシュを繰り返せる場所があるのですが、西村君はそこで野球部員で1人だけ、陸上部にまじるような形で直線を行ったり来たりするようにずっと走っていたんですよ。

 中京大中京戦で150球投げて、疲れもまだ残っているような状況であっても、それを感じさせないほどの走り込みで。それから、井元部長がわざわざ部屋まで西村君を呼んでくださって、少し話をさせてもらいましたが、何と言うか、ものすごく礼儀正しくて。

 昨年から、西村君は1年生であっても先輩に遠慮することなく守備位置を指示する強気なところを見ていたんです。なので、どんな性格かなと思っていましたが、話してみると、遠慮がちというか控えめな感じで。

 中京大中京戦後にコメントしていましたが「高橋選手と投げ合ったのはいい経験で勝てるピッチャーになりたいです」と話してくれたり、だいたい5分ぐらいの会話でしたかね。僕なら少しでも涼しい部屋で休むことを考えますが(笑)西村君は「練習に戻ります」と足早に部屋を出て、今度は砂場みたいなところで縄跳びとかのトレーニングです。日々、これだけの練習を続けているからこそ、例年とは違う調整を強いられた中でも、あの場で150球も投げ抜けたんだなと。

 智弁学園には西村君と同じ2年生で小畠一心君という好投手もいて、中京大中京戦のことを聞くと「七回ぐらいの時に今日は出番ないなと分かりました。高橋さんと西村の投げ合いで自分が入るところじゃないなと」と感じたそうで。なるほどなと。あとで井元部長にその話をしてみると「小畠は自分が投げないと分かった瞬間、西村のマッサージをしたりして。成長したなとうれしかったんです」と話されてました。

 智弁学園はこの2人のピッチャーに加えて、1年から4番を打っている前川右京君もいます。まずは秋の大会ですが、主力選手の成長もあるように、智弁学園の新チームはかなり強くなるのではと今から楽しみです。

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 かみじょうたけし(本名・上条剛志)1977年12月31日生まれ。兵庫県淡路島出身。龍谷大卒。血液型A型。身長170センチ、体重50キロ。高校野球大好き芸人として知られる。趣味・特技は競輪予想、モノマネ。

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