高校野球芸人のかみじょうたけし（４２）が、第９２回選抜高校野球大会の史上初の開催中止を受け、私案として「秋のセンバツ」の開催案を披露した。また、どういった形での代替案がいいかを出場校の選手にアンケートを採る必要性も訴えた。すべては「幻のセンバツ」で終わらせないためであり、球児を思うがゆえの愛の提言だ。

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　何と言えばいいのか…センバツ、中止になってしまいましたね。本当に残念です。毎年見ていた光景が存在しなくて。ああ、高校球児が甲子園で試合できないんやなと。ショックですよね。

　僕の立場ではなかなか、仕方ないという言葉も出せないし、球児にかけるような言葉も見つからないというか。おそらく、それぞれの監督さんですら、中止が決まって、どうやって声をかけるか難しいところやったと思います。球児たちじゃないと、感じられないことがありますから。

　高野連の方々も、ギリギリまで考えてくださったことには感謝してます。ただ、無観客でもいいのでとにかく、甲子園でセンバツをやってくれたらという思いでした。もちろん、今の日本の状況を考えると厳しいかなというのはありましたが、必死に練習を続けてきて、冬の間も甲子園でのプレーを思い描いてきた中での中止。つらいと思います。

　ただ、中止が決まった以上は未来に目を向けたいなと。救済措置という言葉が適切かどうかは別にして、そういった思いを持った、いろいろな方がさまざまな提案をされてますよね。僕としても、今回が「幻のセンバツ」で終わってほしくないですから。

　あくまで個人的な思いですが、新型コロナウイルスが終息して、夏の選手権が通常通り開催できるのであれば、夏はそのままやってほしいなと。夏に出場枠を広げてセンバツ出場校を、と言われている方もいらっしゃいます。それも一つの考えだと思いますが、僕は夏は夏でこれまで通りやってほしい。その代わり、センバツを秋にできないかなと。春のセンバツではなく秋のセンバツです。

　秋で言うと、高校野球では国体が開催されて、秋季大会などもあります。甲子園球場では、プロ野球が終わってからはマスターズ甲子園が開催されていますが、同じように、その時期に甲子園を使って何とかできないのかなと。今回の中止は史上初という超異例のことですから、対応策も初めての試みであっていいと思うんです。

　日程的に、完全にトーナメントをやりきれずに各校１試合ずつだけであっても、とにかく甲子園で試合ができれば。おそらく球児たちは、全国大会に出たいということ以上に、甲子園で野球がやりたいという気持ちが強いはずなので。

　その中で、まず一番にすべきなのは、落ち着いた段階で出場３２校に代替案のアンケートを採ることでしょうか。個人的な考えとして「秋のセンバツ」と言わせてもらいましたが、球児の思いが何よりも一番大事になりますから。大人が決めて、この案でどうでしょうか？ではなく、彼らの声を聞かないといけないでしょう。

　あとは、球児のことを思えば軽々しくは言えないですが、こういう時だからこそ、野球で学んだことを生かしてほしい。高校野球は、野球を通して学んでいることがたくさんあると思うので。

　例えば、今は野球ができないなら、近所のおばちゃんの力仕事とかのお手伝いができるとか。本当は野球のプレーで地元を盛り上げることができれば一番ですが、今は日本中が大変な時です。そういったことをやると、必ず将来につながるはずですから。

　高校野球ファンとしては、これからの球児の立ち上がり方にも注目したいところです。それこそ、高校野球の真の底力の見せどころじゃないですかね。もうええわ、と気持ちを切らさずに、最後の夏に向けての底力を。軽々しくは言えないですが、強い思いを夏にぶつけてほしいです。

　あとは周りとしてもね、「幻のセンバツ」のまま終わらない空気作りというか。周りのファンも、僕も微力ながらできることをやっていこうと。声を上げていくことで変わることもあると思うので。とにかく甲子園で試合をやってほしい。今回、悔しい思いをした球児に甲子園で思い切りプレーしてほしい。その思いを忘れず持ち続けていきたいですし、球児たちを今まで以上に応援していきたいと思います。

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　かみじょうたけし（本名・上条剛志）１９７７年１２月３１日生まれ。兵庫県淡路島出身。龍谷大卒。血液型Ａ型。身長１７０cm、体重５０kg。高校野球大好き芸人として知られる。趣味・特技は競輪予想、モノマネ。