高校球児にとっての夏の甲子園とは?文科相の「無理だろう」発言から思うこと

 今回は中京大中京の優勝で終わった神宮大会ではなく、別の話題に触れたいと思います。先日の、萩生田光一文部科学相の「もはや甲子園での夏の大会は無理だと思う」といった発言のことです。

 その後、「夏の大会をやめろと言ったわけじゃない」と話されたわけですが、最初に話された時に「アスリートファーストの観点からすると」という発言もありましたね。その言葉から思うところを話したいなと。僕としては高校野球、甲子園というものは「アスリートファースト」ではなく「高校球児ファースト」で考えないといけないのではないかなと思うんです。

 例えば炎天下が無理だから京セラドームで…と言われる方もおられますが、それなら都道府県大会を勝ち抜いた球児に「暑さもあるから体を考えて、京セラドームと、あと甲子園もあるけど、みなさんが試合をしたい球場に開会式の日に集合してください」と言ってみてはどうかと。それが高校球児ファーストになると思いますし、それで球児が京セラドームに集まったらそれでいいと思うんです。ただ、僕は京セラドームに集まる学校はないと思うんですよね。

 それに、仮に夏の甲子園が無くなったらと思うと、一気に野球人口が減るんじゃないかなとも思いますよね。これから出てくるであろう未来のメジャーリーガーや、日本で活躍するホームランバッターやすごいピッチャーが生まれてくる土壌というものが無くなって、野球ではなく他の競技を選ぶ子供たちが増えるやろなと。

 夏の甲子園で言うと、やらないということより、考えないといけないことが他にあると思うんです。例えばスタンドの暑さ対策ですよね。僕は今年もですが毎年40試合以上、全て炎天下ではなく、アルプスとかに行きながら観戦させてもらってますが、そっちの方が危ないんじゃないかなって(笑)それこそ、吹奏楽の子とか学校の応援団のことをもうちょっと考えないといけないのではと。応援団はベンチもなくて休む間もないですし、暑さでぐったりしている生徒もよく見てきましたから。

 確かに昔と比較したら、暑さそのものは今の方が厳しいなと感じますし、対策は考えていかないといけないです。ただ、現場の方々も、何もしていないわけではないんです。今ではどこの学校も投手の球数制限や、疲労を考えて複数投手制を敷くというのが当たり前というようになってきて、変化してきているわけですよね。

 監督からすればね、まだ投げさせてもいいようなところでも、生徒のことを考えたら無理はさせられないから交代、といった決断をされているわけです。指導者の方も日々の練習から必死に考えて努力して、チーム作りに取り組まれているわけです。それも、甲子園を目指すということがあるからこそなんですよね。そういった方々の努力やこれまでの歴史を考えても、夏の甲子園というのが無くなることは絶対に考えられません。

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 かみじょうたけし(本名・上条剛志)1977年12月31日生まれ。兵庫県淡路島出身。龍谷大卒。血液型A型。身長170cm、体重50kg。高校野球大好き芸人として知られる。趣味・特技は競輪予想、モノマネ。

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