長坂君と10年前の準V遊撃手が紡ぐ日本文理憧れの連鎖
10年前も同じ一塁側やったな、と。09年8月24日の日本文理と中京大中京の決勝を思い返しながらアルプス席に向かうと、その時日本文理の「2番・ショート」だった高橋隼之介君と会えました。
高橋君はその試合で、現広島の堂林君からソロホームランを打った選手。「2番の長坂を応援してください」と言われたのは、長坂君が10年前の高橋君と同じように「2番・ショート」だったからです。
この日、高橋君はアルプス席で長坂君のおじいちゃんと初めて会って、10年前の話を聞いたそうなんです。何でも、おじいちゃんは当時「文理が決勝行ったぞ!」と、当時小1の長坂君を連れて、新潟の柏崎から寝台列車で甲子園に来て、バックネット裏から観戦したそうなんです。
日本文理は負けましたが、長坂君は日本文理の奮闘と高橋君の活躍を見て「地元も一緒やから応援する。高橋君みたいになりたい」と言ったそうです。言葉通り、高橋君と同じシニアに入って日本文理にも進み、同じポジションと打順で甲子園に出場したわけです。
九回表の日本文理の攻撃で、10年前と同じ2死満塁という状況が生まれたのも不思議なものです。この日のスタンドにも「長坂君みたいになりたい」と思った子がいたかもしれないですし、こういった憧れの連鎖で、甲子園にスターが生まれていくわけですね。
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かみじょうたけし(本名・上条剛志)1977年12月31日生まれ。兵庫県淡路島出身。龍谷大卒。血液型A型。身長170cm、体重50kg。高校野球大好き芸人として知られる。趣味・特技は競輪予想、モノマネ。