智弁和歌山・中谷監督が3番手の山本投手を起用した理由

 第1試合の智弁和歌山と熊本西の試合なんですが、さすが智弁和歌山という打撃でしたね。序盤は本来のスイングができてないように見えましたが、打線全体に、去年準優勝した自信というか不気味さというか、余裕みたいなものが漂ってましたよね。恐ろしい雰囲気を持ってるチームやなと。

 そんな中で注目していたのは山本雄太投手(3年)でした。昨年秋の近畿大会で明石商との準決勝で先発したピッチャーなんですが、以前、中谷監督と話した時に、その準決勝で山本君を投げさせた理由を聞いたんです。その中で言われていたのが、ピッチャーとして必要な戦力であるということに加えて、人間性の部分でした。

 「山本は上の学年やのに後輩の用具を運んだり、献身的な動きができる」と。中谷監督は、「野球の神様は絶対にいる」と信じている方でもあるので「神様がいるなら、こいつは大成せなあかん選手や」と。「こういう選手が大成しないとおかしい」と言われてたんですよ。

 中谷監督は、野球だけじゃなく、そういった私生活の部分も非常に大切にされる方なんやなというのを改めて感じたのと、だからこそセンバツで山本君が投げる機会を楽しみにしてたんです。11点リードの場面ではありましたが、今日は登板したところを見られて良かったですし、そこに中谷監督の手腕の温かさを感じました。

 一方、熊本西でいえば、九回の攻撃で、巨人のチャンステーマで知られる「Gフレア」が、アルプスから演奏されてました。これは昨年夏、金足農業のブラスバンドもチャンステーマで演奏していたんですよ。金足農業は決勝で大阪桐蔭にこの日の熊本西と同じ2-13で敗れましたが、諦めない姿勢と「Gフレア」を聞いて、熊本西に金足農業の姿が重なりましたね。

 あと、「Gフレア」が響く熊本西のアルプス席では思わぬ再会もありまして。3月22日に大阪の弁天町の温泉施設で、温泉に入ってた時に声をかけてくれた子と、偶然会ったんですよ。

 その時に「熊本西、応援したってください!」と言われてたのを覚えていたので、熊本西のOBやと思って「後輩がんばったなあ」と言うたら、「いや、僕全然関係ないんですよ」と。何でも、熊本から来たただの野球好きの青年らしくて(笑)今回は同級生の熊本西のOBと一緒に来たということで。

 そのOBの子には「こいつを何とか『アメトーーク!』に出させてやってください。僕らより熊本西のこと応援してくれるんですよ」と言われましたが、そんな再会も含めて、両校に見どころのあるいい試合でした。

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 かみじょうたけし(本名・上条 剛志)1977年12月31日生まれ、41歳。兵庫県淡路市出身。中学、高校時代はソフトテニス部。龍谷大卒。お笑いコンビ「ロビンス」で活動後、現在はピン芸人。高校野球大好き芸人として知られる。趣味・特技は競輪予想、モノマネ。

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