かみじょうたけし視点で見たドラフト会議…中日6位の高校生右腕に注目

 10月26日、運命のドラフト会議が行われ、育成枠を含めると114人の選手がプロ野球球団から指名を受けた。

 高校BIG3の中でも最も注目されていた早稲田実業の清宮幸太郎内野手はヤクルト、巨人、阪神、ロッテ、日本ハム、楽天、ソフトバンクの7球団競合の末に日本ハムが交渉権を獲得。広陵の中村奨成捕手は中日、広島が競合の末に広島が、履正社の安田尚憲内野手はロッテがそれぞれ交渉権を獲得した。

 ドラフト指名にはチームの特色が出るものだ。例えばソフトバンク、巨人は育成枠を積極的に獲りにいったり、日本ハムなら高校、大学、社会人関係なくその年一番の選手をかならず1位指名します。

 そんな中で中日といえば地元、即戦力を獲るイメージ。それが今年は地元の選手は獲得したが、6人中5人が高校生と31年ぶりに高校生5人を指名した。ここ数年低迷しているチーム状態の中でなぜ?との声もあるが、僕は泥水を飲む覚悟で未来を見据えた素晴らしいドラフトだったと思う。

 2位の石川翔投手(青藍泰斗)は正直外れ1位で消えるクラスだった。甲子園出場経験はないが同世代ナンバーワンの呼び声が高い3位の高松渡内野手(滝川第二)は脚だけなら1軍トップクラス。まずは脚、そして守備、打撃と中島卓也内野手(日本ハム)のような育成ができれば将来楽しみな選手である。

 そんな中、僕が最も注目している選手が6位指名された山本拓実投手(市西宮)である。

 身長は167センチながらMAX148キロのストレートを投げるのだが、生で観ると数字以上に球速を感じるタイプ。その逆はよくいるが、山本投手のストレートは則本昂大投手(楽天)のように打者の手前でグンと伸びる。

 甲子園出場はないが、今年の春季大会で報徳学園を相手に1-2で敗れはしたものの直前のセンバツ4の強力打線を3安打に抑え一躍有名になった。そして6月にはセンバツ優勝校である大阪桐蔭の西谷監督が直々に練習試合を申し込んできたという。ちなみにこの試合は生で観させてもらったが、U-18でも大活躍した藤原恭大外野手からインコースをズバッとつくストレートで見逃し三振を奪ったシーンは圧巻であった。センバツで優勝し、直前の春季近畿大会決勝も18-0で優勝していた大阪桐蔭相手に7回3失点、被安打3は立派だろう。

 そして細かい事をいえば、この日の山本投手は決して恵まれたコンディションではなかった。練習試合は平日に大阪で行われたことから、市西宮の野球部員が球場に到着した時には桐蔭ナインのアップは終わっており、足早に準備した山本投手の肩が温まってきたのが、四回辺りからだったように思う。そこからの4イニングでの5奪三振はよく覚えている。

 小さな頃から野球が大好きで、小学3年生の時、サンタさんにお願いしたプレゼントは「ブルペン」。理由は雨の日も練習できるようにだという。

 高校生になり模擬試験の志望校の欄にはプロ野球選手と書き、小さな身体を大きくするため米は1日6合食べた。そんな努力が実を結び夢への階段の一歩目を踏み出した山本拓実選手。

 超高校級のプロ1年目の活躍ももちろん楽しみだが、こういう楽しみな下位指名の選手を見つけ、成長を追いかけるのもドラフトの醍醐味の一つである。

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