かみじょうたけし、今秋の注目校は「おつこう」です

 夏の甲子園の興奮冷めやらぬうちに、U-18ベースボールワールドカップが行われ、気づけば愛媛国体も広陵高校の初優勝で幕を閉じた高校野球。これで全国の高校3年生は完全に引退し、全ての学校が新チームとなった訳だが、その新チームの目標でもある来春の選抜高校野球の出場校選考において参考資料となる秋季大会も盛り上がりをみせている。

 そんな中、僕が密かに注目している学校がある。京都大会で初優勝を飾った乙訓高校である。

 えっなんて読むの?と思ったあなた、「おとくに」と読みます。1964年創立の公立高校で通称は「おつこう」。

 2015年夏は府大会ベスト4、そして昨年の秋季大会でも3位決定戦で強豪の龍谷大平安をあと一歩のところまで追い詰めるも僅かに及ばず近畿大会を逃した。そう甲子園まではあとわずか、阪神電車で例えるなら武庫川駅あたりまでたどり着いているのだ。

 そしてこの乙訓高校に幸運をもたらしていると思われる人物がいる。乙訓高校野球部の市川靖久監督だ。2000年のミレニアムの年に鳥羽高校のキャプテンとして甲子園に春夏連続出場。そして、その鳥羽高校と言えば、夏の選手権第一回大会の優勝校である京都二中の流れをくむ学校であり、2年前の高校野球100年目の節目の年にも見事に甲子園出場を果たし、選手宣誓までつとめあげた。

 ちなみに市川監督が出場した2000年は京都二中創立から数えてちょうど100年目の年だった。

 そしてこの度、自らが率いる乙訓高校がセンバツ90回記念大会がかかった秋季京都大会で初優勝し、10月21日土曜日から始まる近畿大会に望む。

 もう、何か持ってる監督としか思えない。

 さらに市川監督いわく自分達が甲子園出場を叶えた時と今の2年生の共通点も多いのだと言う。まず下級生の時からのレギュラーが多く、2年の夏は初戦敗退、秋の準決勝の相手が立命館宇治で、近畿大会の場所が舞洲という点まで同じなのだ。ここまで来るともう行くんじゃないかと僕自身も思ってしまう。

 そして、監督だけではなくチームにも不思議な力の持ち主がいる。キャプテンの中川健太郎選手だ。準々決勝の鳥羽戦でバックホームの際、バランスを崩して倒れ、右手首を骨挫傷し準決勝の前日まで投げる事も打つことも出来なかったが、試合当日には前日までがウソのように治り、決勝戦では4打点の活躍でチームを初優勝に導いたのだという。

 もちろん旧チームから投げている川畑、冨山の左右ダブルエースの活躍が大きいのは確かだが、勝ち進む上で何か目に見えない力がチームを助ける事はたくさんある。

 何か持ってるチーム、乙訓高校野球部の快進撃を楽しみにしている。

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