広島・森下 開幕投手へ責任感と決意 ブルペン一番乗り 直球19球「チームの中心でやっていく」
「広島春季キャンプ」(1日、日南)
プロ野球は1日、12球団がそろってキャンプインした。広島は就任3年目の新井貴浩監督(48)のもと、宮崎県日南市で始動。初の開幕投手を狙う森下暢仁投手(27)は自身4年ぶりとなるキャンプ初日にブルペン入りし、責任感と決意をボールに込めた。投手、野手ともに「横一線」の競争が強調される中、サバイバルレースが幕を開けた。
まっさらなブルペンに森下が足を踏み入れた。今キャンプ、チーム一番乗りで投球を開始した姿からは責任感が漂う。今年で6年目を迎える右腕は「チームが優勝することが一番だと思う。そのチームの中心になってやっていければ」と、自らが担わなければならない役割を自覚した。
坂倉を座らせて、直球のみ19球。糸を引くボールには力強さがあった。「自主トレの時からしっかり投げられていたし、坂倉が受けてくれるということだったので。しっかり投げられてよかった」。米大リーグ、タイガースの前田健太と1月に行った沖縄での自主トレでは、すでに3回程度ブルペン入り。それだけに状態の良さが際立った。
「(ブルペンに)今日入っても、明日入っても、あさって入っても、(コンディションが)変わることはないと思った」と言う。複数の選択肢があった中で、2021年以来、自身4年ぶりとなるキャンプ初日のブルペン入りを選んだのには、森下なりの理由がある。
「監督も言っていた通り、争いだったりとか、そういうところを意識して、初日から入れるのであれば入ろうと思っていた」
見据えるのは自身初となる開幕投手の座だ。昨年、大役を務めた九里がFAでオリックスに移籍した今季、有力候補は大瀬良、床田、森下の3人。この日、大瀬良と床田はブルペンに入らず、森下の“先制アピール”となった。
この姿を見た新井監督は「もう彼も6年目か…。自分のことだけじゃなしに周りのことも、自分の立ち位置とかも考えながら、初日から入ったんじゃないの?だから良いんじゃない?自覚というか」と評価。右腕の強い思いがにじんだアクションをしっかりと受け取った。
昨季は20、22年に続く3度目となる自己最多タイの10勝を挙げるも、またしても突き抜けることができなかった。「今まで本当に代わり映えしない成績が続いているので、本当に今年は良い成績を残したいなと思っています」。決意のシーズンが始まり、まずは心意気を示した。初の大役へ、その座をつかみに行く気持ちは隠さない。