広島・栗林 自ら招いたピンチを切り抜けサヨナラ勝ちへ 岡義朗氏「試合中の修正能力が高い投手」
「広島3-2阪神」(27日、マツダスタジアム)
広島が延長12回、代打・末包の右越え二塁打でサヨナラ勝ち。3位DeNAとのゲーム差を「1」に縮めた。デイリースポーツ評論家の岡義朗氏は菊池や秋山らバックの好守と継投の“復活”に注目。九回の大ピンチを切り抜けた栗林良吏投手(28)の修正能力の高さも評価した。
◇ ◇
同点の九回に登板した栗林は全体的にボールが高かった。先頭の佐藤輝には初球のフォークを右前へ打たれたが、少し危ない雰囲気があったね。
その後、自らのバント処理ミスがあって無死一、三塁となったが、ここからは会沢のリードにも助けられて、何とか立て直すことができた。
代打・糸原の浅い右飛はフルカウントからの浮いたフォークだったが、完全にタイミングが狂っていた。
一死二、三塁となって木浪を歩かせ満塁にしたのは想定内だろう。会沢には代打の梅野のところで三振か併殺という計算があったはずだ。
結果、梅野は三振で近本まで回ったが、無失点で切り抜けたのだから大したものだ。
巨人戦での乱調を見る限り、栗林は本来の調子ではないのだろう。武器であるフォークがシュートしながら甘めに落ちる傾向がある。いいときはタテにストンと落ちてくる。
しかし、本調子ではない状態でありながらも試合中に修正しているように見える。いわゆる修正能力が高いのだ。会沢の配球などリードの支えもあってのことだろうが、そのあたりは非常にうまい。
リリーフ投手は先発とは違い、1イニングという短い登板の中で修正しなければならない。それだけに難しいことではある。
延長に入ってからは森浦、島内と投入し、無失点で12回裏までつないだ。しのいで、しのいでバトンをつないだ得意の継投策だ。九回の大ピンチを切り抜けた粘りがサヨナラに結びついた。そう言ってもいいぐらいの投球だった。
9月に入って急降下した広島には、この試合をキッカケにまた元気を取り戻してほしいね。意地もあるでしょう。残り数試合、CS進出をかけた激闘を期待したいね。