カープ秋山 本拠地初Hはタイムリー 指揮官「地元で打てたので変わってくる」
「広島3-4DeNA」(14日、マツダスタジアム)
広島の秋山翔吾外野手(34)が本拠地初安打を適時打で飾った。0-3の三回1死二、三塁の好機に右前打。カープデビュー戦となった7月8日・中日戦(バンテリン)の第3打席で安打を記録して以来、19打席ぶりに響かせた快音となった。しかし、チームは1点差で敗れて借金「4」に。阪神と並ぶ4位に転落した。
待ちに待った瞬間だ。球場を万雷の拍手が包み込む。一塁に到達すると、秋山は一塁コーチャーの小窪内野守備走塁コーチとグータッチを交わした。待望の本拠地初安打は追撃ムードを高める右前適時打となった。
「試合に出てる以上は結果を出したかったし、ずっとその思いで(打席に)立っていた。何試合か(安打が)出なかった分だけ、ファンのみなさんも待っていたと思うし、僕自身も早くその期待に応えたいと思ってやっていた」
0-3の三回1死二、三塁で打席が回ってきた。DeNAバッテリーは初回の第1打席同様に外角中心の配球。フルカウントから144キロの直球を振り抜くと、鋭いライナーとなった白球は緑がまぶしい芝生の上で弾んだ。19打席ぶりに響かせた快音だった。
マツダスタジアムデビュー戦となった12日のカード初戦は4打席連続三振。過去に1試合4三振はあるものの、4打席連続はプロ初だった。日本球界復帰戦となった8日・中日戦(バンテリンドーム)の3打席目で右前打を記録して以降は「H」のランプがともらなかった。
安打が出なくても佐々岡監督は「よく声をかけながら練習しチームに溶け込んでいる。全く心配していない」と話していた。大きな期待を背にして放った節目の一本。「良い打球を打っている。気持ち的にも地元で打てたので変わってくると思う」と目を細めた。
チームは秋山の適時打などで一時は同点とするものの最後は競り負けた。今季3点差以上をはね返した試合は一度もない。今カード負け越しで借金は「4」となり、阪神と並ぶ4位に転落した。
15日から臨む巨人戦は東京ドームが舞台だ。秋山はこれまで同球場では26試合で100打数30安打、打率3割と好成績を残しているだけに期待は膨らむ。
2万4479人が詰めかけた一戦。打席に立つ度に大きな拍手などが巻き起こった。敵地でも鯉党が背中を押してくれるはずだ。
背番号「9」は常々「ファンの人たちを喜ばせるプレーをどんどんしていきたい」と口にしてきた。上位浮上へ勢いをもたらす一打を放って見せる。