広島救援陣“投壊”好投・九里の勝ち星消した 中崎が島内が黒原が1イニング9失点
「広島5-9ヤクルト」(28日、マツダスタジアム)
広島が八回にまさかの9失点で大逆転負け。セットアッパー中崎翔太投手(29)が3連続四球で満塁とし、村上の同点打でKO。代わった島内、黒原もヤクルト打線を止めることはできなかった。球団通算4500勝に王手をかけながら連敗で本拠地マツダスタジアムでの達成はならず。首位・巨人とは今季最大の3・5ゲーム差に開いた。
マツダスタジアムにファンの重い重いため息が充満した。
それは惨劇だった。2点リードの八回。好投の先発・九里のあとを受け、セットアッパー中崎が登板。先頭の代打・川端はショート後方を襲ったが小園が美技で1アウト。誰もが球団通算4500勝の達成を見られると信じた。
ところが、ここから異変が起こる。太田をフルカウントから四球で出すと青木はストレートの四球、山田もストライクは1球しか入らず四球で満塁。ざわつくスタンド。汗ビッショリの背番号21。ここで村上に中前適時打で同点に追いつかれ、中崎はKO。負の連鎖は止まらない。代わった島内は連続四球で押し出しの後、オスナに2点適時打でこちらもKO。この回3人目となった黒原も勢いを止められない。代走から出場の山崎に2死満塁から走者一掃の適時二塁打を許すと、スタンドのファンは一斉に立ち上がって帰路についた。
この回5安打5四球で一挙9点を失った。1イニングで9失点以上は19年8月29日・巨人戦(東京ド)以来の惨劇となった。
中崎、島内と勝利の方程式の乱調で落とした。佐々岡監督は「勝ちパターンでね、当然そういう選手ですから。こっちは信頼して送り出した。うちの勝ちの2人。失敗すれば僕の責任。切り替えて頑張ります」と話すと1分足らずで自ら会見を切り上げた。
今季は指揮官自ら四球減を投手陣に課し、取り組んできた。ここまで26試合で63四球は1試合平均2・42個。昨季の3・38から大幅に改善され、試合前の時点でチーム防御率はリーグ1位。成果として表れていた。
ヤクルト戦は連敗に終わった。昨季もマツダスタジアムでは2勝9敗1分けとなぜか本拠地で苦手にした相手。今季も苦戦を強いられることになるのか。信じられない逆転負けが残したモノは重い。
29日からは前回3タテを食らったバンテリンドームで中日3連戦。前回も4連敗を止めたエース大瀬良に託すしかない。