広島は最大の惑星 鈴木誠也が抜けても強くなる?高代氏が早くもセ・リーグ予想

 侍ジャパンの4番も務めた鈴木誠也がいない広島は弱体化するのか。これに異論を唱えるのがデイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏だ。「カープは鈴木の穴が埋まらなくてもAクラス入りの可能性は十分ある」と語り、早くも2022年ペナントレースを予想した。

  ◇  ◇

 鈴木誠也の穴は、そう簡単に埋まるものではない。それほどまでに大きな存在で、彼に匹敵する選手はいないと考えたほうがいい。

 新外国人として加わるのはライアン・マクブルームという内野手。期待通りの活躍なら申し分ないが、助っ人はフタを開けてみるまで分からないからね。

 だれかが穴を埋めるというよりも、チームが束になってかかっていくという野球を目指した方がいい。今のメンバーならそれができると思う。

 つまり広島らしく足を絡める機動力を駆使した野球だ。

 今季は途中から足が動かず、鈴木誠の前に走者を置くという意識に変わっていったような印象を受けた。そのあたりの変革だね。

 それにしてもチームは急激に若返っている。私は阪神で2年間(19、20年)、2軍を見ていたが、カープの若手は力をつけるのが早いと感じていた。

 それは3年目で1軍戦力になった林にも言える。当時、ウエスタンの試合でベンチに林の姿がなく、関係者に事情を尋ねると、「今日は打ち込みデー」という説明だった。

 育成スケジュールに沿って徹底的に鍛えようという方針のようだったが、計画通りに育っているのが分かる。

 野手では打撃成績で鈴木誠に次ぐ2位(・315)だった坂倉を筆頭に・298で8位の小園、宇草、石原らも力をつけている。

 私はこの中で特に宇草に注目している。

 (昨年は43試合に出場し、打率・291。4本塁打。14打点。6盗塁)

 出場機会が少ないので目を見張るような数字は残していないが、脚力があって打力もいい。パンチ力も備えている非常に魅力のある選手。送球にやや難があるものの、大学(法政)時代に比べるとよくなっている。

 シーズン終盤に任された1番がハマっていたように感じたね。しっかり結果も出ていたし、小園との1、2番は魅力十分だ。

 ケガ(死球による右腓骨の骨折=抜釘術終了)からの回復次第だろうが、不安がなければ貴重な戦力になる。

 昨季、前半戦を借金12で終えて後半戦は貯金7。こういう後半に勢いを得たチームは翌年、成績を伸ばすことが多い。

 伸び盛りの若い選手とポジション争いをするベテラン、中堅という構図になるのだろうが、野間や堂林ら“殻”を破りきれない選手たちは当然、目の色を変えてキャンプに臨むはず。

 大盛や羽月も足のあるいい選手で、松山や長野のベテランも控えている。高いレベルの競争がチーム力を上げるのではないかという期待感がある。

 投手では大瀬良、九里、森下の“3本柱”に中堅の床田が続き、若手の高橋昂也と玉村がローテーションに入って来た。ここに抑えで栗林がいる。中継ぎも比較的安定しているし、明るい材料の多いチームだ。

 セ・リーグは今季も混戦模様。優勝したヤクルトがV争いの中心になるだろうが、スアレスが抜けても阪神はまだ戦力的にトップクラスを維持している。そこへ機動力の復活と外国人の出来次第では広島も加わってきそうなムードだ。

 カープは鈴木誠也の穴が完全に埋まらなくても、強くなるような気がしてならない。V予想には少し早いが、最大の惑星に指名したいね。

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