「達川さんのシナリオ通りに投げれば打たれなかった」北別府氏の回想

 広島は会沢翼捕手(33)が戦列復帰し、バッテリー間に落ち着きが出てきた。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「彼の存在は大きいが、若い捕手も追いつき追い越すぞと思って頑張れ」と坂倉、石原らにハッパをかけた。

 ◇ ◇

 経験というものは大きいね。会沢が復帰初戦の阪神戦でいきなりマスクをかぶって、完封リレーを演出したんだから。

 坂倉や石原ら若い選手からしたら、足元にも及ばないような技術を持っていると感じたのではないかな。

 また、そのように感じて技術を盗み、追いつき追い越すぞと思ってほしいね。

 私が現役のころは、達川さんのリードにほとんど任せていましたよ。

 でもね、たまにどうしても投げたいボールがあってサインに首を振ると、逆に打たれることが多かった。

 相手打者に読まれてしまうんだろうね。ですからほとんどはサイン通り投げていましたよ。

 女房役の言うことには黙って従う方が間違いは少ないと学びました。

 一度、ここで内角のストレートはないだろうなと思っていた時にそのサインが出て、1ストライク目を取ったら、また次も同じサインが出た。

 甘く入って打たれたら危険な状況でね。しかし、その2球続けたストレートに相手はピクっとしただけで、まったく打てなかった。

 達川さんは、特に私のようなタイプに対しては、何通りものシナリオを用意していましたよ。たった1人を打ち取るためにね。

 それと記憶力がずば抜けて素晴らしかった。

 ある試合で急にマウンドに近づいてきて“お前、覚えとるか?”と言って、打席に立っている打者を何年か前に抑えたシーンを話し始めるんですよ。

 こっちはそんなこと覚えてないのに“あの球で抑えたろう”と言って、私をその気にさせるんです。

 とにかく捕手は記憶力が必要ですね。記憶力を磨くことを常日ごろから心がけることが、捕手にとって不可欠なことなんだと、つくづく思います。

 経験も必要。勉強も必要。そして失敗も必要。失敗しないと経験を積めないものね。

 会沢もそうやって一人前になったはずだし、坂倉や石原らもベンチから先輩のリードやキャッチングを見て、勉強してほしいね。そして若手同士で張り合ってほしい。

 会沢も“負けてられない”という刺激を受けるだろうし、それが相乗効果を生むわけだからね。

 捕手はチームの要である。そのことを肝に銘じて、投手をリードする存在であってほしいと願っています。

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