広島・誠也 エースキラーだ!菅野撃ちで連敗止めた3安打2発5打点
「巨人2-11広島」(26日、東京ドーム)
広島の鈴木誠也外野手(27)が2本塁打を含む3安打5打点の大暴れで、チームの連敗を3で止めた。初回に菅野からバックスクリーンへ、東京五輪後初の一発となる先制16号2ラン。七回はまたもバックスクリーンへダメ押しの17号3ランを叩き込んだ。後半戦はらしくない打撃が続いたが、侍ジャパンの4番がやっとお目覚めだ。
これぞ広島が誇る主砲だ。3安打2本塁打5打点の大活躍を見せ、深々とファンに一礼すると、鈴木誠はヒーローインタビューで「先制点が欲しかったので、本当にたまたまですが、菅野さんから打ててうれしいです」と控えめに喜んだ。
いきなり快音を響かせた。初回2死一塁。フルカウントから菅野のスライダーを振り抜き、バックスクリーンに運んだ。7月9日のヤクルト戦(神宮)以来15試合ぶり。後半戦初アーチとなった16号2ランは貴重な先制弾となった。昨季まで通算0発と苦戦した相手に、これで今季は4発目。三回にもしぶとく中前打を放ち、12打数6安打、打率・500と今季は菅野を“カモ”にしている。
一度勢いに乗ると簡単に止まらない。七回には2死一、二塁から2番手・戸根の直球を捉え、またもバックスクリーンにダメ押しの17号3ラン。「チャンスの場面だったので、しっかりと自分のスイングをしようと。追加点になって良かった」。1試合2本塁打は7月9日のヤクルト戦以来、今季3度目。巨人戦では18年8月10日(マツダ)以来3年ぶり3度目だ。
この日54歳の誕生日を迎えた佐々岡監督は「誠也が打ったことで雰囲気ががらっと変わった。チームが乗っていけたし、本人も少しは楽になったというか。1本出たことで2発目も出た。乗っていってくれたらというよりも乗っていってほしいという感じ」とたたえ、今後のさらなる活躍に期待を寄せた。負ければ両リーグ最速の50敗の危機だったが、頼れる4番がチームを引っ張り、今季最多の5発の一発攻勢で連敗を3でストップ。5位・DeNAとのゲーム差を0・5とした。
東京五輪日本代表では4番を務め、金メダルを獲得した鈴木誠。今度はカープのためにという思いでバットを振っていたが、期待に応えられず責任を感じていた。「そういう思いで臨んでいたが、なかなか結果が出なかった。これからしっかりと結果を出せるように頑張っていきたい」。目覚めたスラッガーがアーチを量産し、チームを上位進出へと導いていく。