安仁屋氏「カープの日本一を見るまでは死ねない」喜寿の誕生日 生涯、一野球人を誓う

 元広島、阪神の投手で現在はデイリースポーツと中国放送(RCC)で野球解説を務める安仁屋宗八氏が17日、喜寿となる77歳の誕生日を迎えた。「大好きな野球に携わりながら、この日を迎えられて本当に幸せ。周りの人にも恵まれた。生きてきて良かった」と感謝の思いを語った。

 時には厳しく、時には温かい眼差しで選手を見守り、視聴者に野球の面白さを伝えてきた。そんな安仁屋氏が追いかけるのが大先輩2人の背中だ。同氏が阪神時代に監督を務めていたのが吉田義男氏(88)、投手コーチが小山正明氏(87)だった。二人ともいまだ現役の解説者として活躍中。「お世話になった吉田さん、小山さんが今も頑張っていらっしゃる。僕にとってはいい目標。お二人(の年齢)を超えるまでは自分もこの仕事で頑張っていきたい」と話す。

 59年前の夏、安仁屋氏は沖縄(現沖縄尚学)のエースとして甲子園のマウンドに立った。当時は宮崎と争う南九州大会で勝たないと甲子園に出場できない時代だった。初の聖地では1回戦で広陵に4-6で敗れたが、今夏の甲子園で沖縄尚学が沖縄県勢の春夏通算100勝を達成。孫のような年齢の後輩たちが活躍する姿からも元気をもらっている。

 故郷沖縄を離れ、19歳でカープに入団。75年から阪神で5年間プレーしたが、再び広島に戻り、引退後は投手コーチや2軍監督を務めた。通算655試合に登板し、119勝124敗22セーブ。75年には最優秀防御率のタイトルも獲得した。解説者としても豊富なキャリアに裏付けられた語り口は好評で、毎週月曜にはラジオのパーソナリティーもこなすなど広島では抜群の知名度と人気を誇る。

 元気の源は毎朝欠かさない散歩。週末は近所に住む孫たちもお伴してくれる。「夏休みは毎日一緒に歩いている。これが一番の健康の秘けつかな。生きがいになっている」と目を細める。昔は酒豪として名をはせたが、「今はあんまり飲まなくなったというか、飲めなくなった」と酒量も控えめ。「体はどこも悪いところはないよ」と元気いっぱいだ。

 長年にわたってカープのOB会長も務めており、84年を最後に36年間遠ざかっている日本一を願う。「もう1度、日本一を見てみたいし、日本一の瞬間を放送席から伝えられたらいいなと思う。それが一番の夢。夢がかなうまではまだまだ死ねない」。これからもカープを愛し、野球を愛し、生涯、一野球人として生きていく。

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