広島の若手3選手が3割 「世代交代の先に明るい未来が見える」と北別府氏
プロ野球は五輪による中断期間に入っているが、広島打撃部門の前半戦を総括したデイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は打率3割をキープする坂倉、小園、林の若手3選手を絶賛。「世代交代の先に明るい未来が見える」と今後の成長と後半戦の巻き返しに期待した。
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コロナによる抹消や調子の良し悪し、故障、年齢からくる衰えなど、いろんな要素が絡んで難しい選手起用が続いたが、ようやくメンバーが固定化されてきたかな。
チームは前半戦を終えて30勝42敗10分の借金12。最下位DeNAをわずか0・5差ゲームで上回る5位だから大変厳しい状況にある。
3位のヤクルトとは11ゲーム差。CS圏内に食い込むには、後半戦で大きく巻き返していく必要があるが、それは決して不可能なことではないとも思っている。
3勝12敗3分と大きく負け越した交流戦後の成績は11勝10敗2分。わずかだが勝ち越している。何とか戦う態勢が整ったと言えるのではないか。
セ・リーグではヤクルトとの相性が悪い。2勝8敗で6つの負け越し。同一リーグでの借金は3だから極端に悪い。
このヤクルトとの対戦成績次第では上位進出も可能だ。投打の歯車がかみ合った結果の前半戦4連勝フィニッシュからそれを感じるね。
今のカープは世代交代の過渡期にある。特に一、三塁と遊撃のポジション。この3カ所を守っている坂倉、林、小園は今のところ、それぞれ打率3割をキープしている。
シーズン終了までその成績を保っているかは分からないが、この3人の存在は大きい。
投手陣では新人の栗林と大道、森浦がいなかったらどうなっていたんだろうと思うのと一緒で、内野の若手トリオがいなければ、恐ろしいことになっていただろうね。
坂倉は捕手で出るのが理想だろうけど、異なるポジションを守ることで、より視野が広がるだろうし、キャリアアップの面で将来必ず役に立つと思う。
石原がマスクをかぶる試合が増えたけど、打力のある坂倉をベンチに置いておくのはもったいないからね。
小園は不振の田中広からポジションを奪い取ったうえに3番を担うまでになった。頑張って結果を出し続けているのは立派ですよ。
林も堂林がつかみかけていたレギュラーの座を、少ないチャンスを生かして自分のものにしようとしている。
とにかく思い切りがいい。そして飛ばす力と振れる力がある。振れるということはフルスイングができるということ。フルスイングはタイミングが合っていないとできないからね。持って生まれた能力でしょう。
坂倉が打率・312で4本塁打、小園が・326で1本塁打、林が・327で4本塁打。若手3人のこの成績は頼もしい限り。世代交代の先に明るい未来が見えてくるね。
いい形でハーフターンしたし、まだまだ諦めることはない。一つひとつ借金を返していけば、再開1カ月後には状況は一変しているかもしれない。そうあってほしいね。