広島・大瀬良 3カ月ぶり3勝目「しんどい思い、そういう姿見せられない」
「広島6-2中日」(12日、マツダスタジアム)
大瀬良に明るい表情が戻った。勝ち星は4月9日の巨人戦以来、3カ月ぶりだ。粘り強く投げ7回7安打2失点。長かった。ようやく手にした3勝目だ。
「いろんな形で迷惑をかけた。とにかく前を向いて頑張ろうと。その思いだけで過ごしてきました」
立ち上がりからボール先行の苦しい投球。それでも傷口を広げない。連打で無死一、二塁とされた四回の失点は犠飛の1点。七回無死一、二塁のピンチも踏ん張り、相手の追い上げムードを切った。
4月中旬に右ふくらはぎを痛めて戦線離脱。復帰後は思い通りの投球ができなかった。「下半身を使っているつもりでも、周りから見れば上半身が強かった」。セットポジションでは、グラブを構える位置をベルト付近から胸の高さに変更するなど、連動性を高めることに時間を費やした。
「しんどいという思いはありましたけど、立場的にそういう姿を見せるわけにはいかない」。帽子のひさしには「27」と記す。離脱中の会沢の思いも背負って立つマウンドだ。
お立ち台では鈴木誠が「大地さんが骨にならないようにしっかりと打ちたい」と言ってスタンドを笑わせた。「五輪期間中にいっぱい食べて、体を大きくして、後半戦しっかり働けるように頑張ります」と大瀬良。前半戦最後の登板でつかみとった白星が、復活への第一歩だ。