広島・石原 前夜の悪夢払しょくの雪辱打! 先制V撃&0封リレー導いた
「ヤクルト0-5広島」(10日、神宮球場)
前夜の悪夢を何としても振り払いたかった。敗戦の責任を感じていたからこそ、仲間と交わした勝利のハイタッチが心地いい。石原が先制の2点適時打に加えて、守っては4人の投手を好リード。零封リレーを完成させ、チームの快勝を支えた。
まずはバットで魅せた。「どんな形でも、1点を取れるようにと思った」。0-0の二回1死二、三塁で原の外角スライダーにバットを合わせた。両手を伸ばして最後は左手一本で右前に運ぶ。「何とか食らいついていこう」としぶとさが光った。
守りでは先発・大道とのコンビで主導権を渡さず、中継ぎ陣も懸命にリード。5月中旬には、自身が先発出場した試合でチームが未勝利という状況に責任を感じていた。この日は17試合目のスタメンマスクで初めて相手打線を無得点に封じた。繰り返した反省が、実を結んだ瞬間だった。
前日は1点リードの九回から守備に就いたが、チームはまさかの逆転サヨナラ負け。「僕が(マスクを)かぶってから逆転されて負けているので、もう何とか、何としてでも勝つという気持ちで(試合に)入りました」。期する思いを胸に刻み、本塁を守り抜いた。1球の重みを肌で感じながら、若き司令塔がナインを束ねていく。