広島・鈴木誠2発 絶好調だ7月8戦5発!五輪へ加速も無念サヨナラ負け
「ヤクルト4-3広島」(9日、神宮球場)
主砲の2発でも勝てんか…。広島の鈴木誠也外野手(26)が四回に先制14号ソロを放ち、1点を追う八回は逆転15号2ラン。7月は8試合5本塁打と絶好調で、東京五輪にも弾みをつける活躍だった。だが、2連投中の栗林の代役で九回に登板したフランスアが、1点リードを守れずサヨナラ負け。ヤクルト戦は1993年以来28年ぶりの8連敗(2分けを挟む)となった。
一塁ベースを回って打球の行方を見届けると、鈴木誠は両手をパチンとたたいて喜びを表現した。終盤に試合をひっくり返す一発に、どよめきと歓声が交錯する。圧巻の打撃で、存在感をまざまざと見せつけた。
1点を追う八回2死一塁。星のフォークを左翼スタンドギリギリに運んだ。一時逆転となる15号2ラン。鯉党からは割れんばかりの拍手が注がれ、ベンチに戻るとナインから盛大に祝福された。
四回には先頭で高橋の初球144キロを力強くたたき、先制の14号ソロ。打った瞬間に本塁打を確信した打球は、左中間スタンド中段に突き刺さった。1試合2本塁打は4月8日・ヤクルト戦以来、今季2度目。「いいんじゃないですか。たまたま甘い球を仕留められているだけですけど、今後も続けていけたら」と継続を誓った。
2本塁打を含む3安打3打点。7月は8試合で月間打率・393、5本塁打、10打点となった。28日には東京五輪の野球競技が開幕する。鈴木誠は「侍ジャパン」の4番候補として期待される中、大舞台へ視界良好だ。
5、6月は新型コロナウイルス陽性判定や、ワクチン接種の副反応など、アクシデントに見舞われた。試行錯誤を重ねながら状態を上げ、結果を示す姿は何より頼もしい。佐々岡監督も「やっぱり4番が打てばね。状態は良くなっていると思う」と目尻を下げた。
守備では1点を勝ち越された直後の七回1死三塁で、青木の浅い右飛を捕球して素早く送球。三走・塩見を本塁でタッチアウトにした。
ただ、主砲の攻守にわたる奮闘も白星には直結しなかった。チームは6月13日・オリックス戦以来、今季2度目のサヨナラ負け。ヤクルト戦は1993年以来28年ぶり8連敗(2分けを挟む)となった。借金は再び今季最多の16。苦しい状況が続く。
「みんなが頑張った結果なので仕方ない。少しずついい試合も増えてきているので、ちょっとしたことで変わると思う」と鈴木誠。勝利を信じて、歩みを進める。