カープ九里 キムチパワーで無死満塁斬り 執念ドロー引き寄せる粘投6回3失点
「広島3-3DeNA」(7日、マツダスタジアム)
広島・九里亜蓮投手(29)は粘り強く右腕を振った。最大のピンチは3点ビハインドの六回。無死満塁で、これ以上の失点は重ねられない-。その気迫が極限の状況でDeNA打線を押し切った。
まずソトを3球勝負のスライダーで空振り三振に仕留めた。続く柴田は低めのカーブで浅い左飛に打ち取り、走者をくぎ付けにした。最後は大和を141キロの直球で押し込み、ニゴロに仕留めて窮地を脱した。
「打者一人一人と勝負して粘れたのは良かった」と右腕。6回5安打3失点と試合を作ったが、立ち上がりから毎回のように走者を背負った。「流れを持っていくことができなかった」と四回に佐野&ソトのアベック弾で3点を先制された。それでも気持ちを切らさず、粘ったことが味方の反撃を呼んだ。
6勝目を手にした前回6月30日の巨人戦後、フォームを微調整した。「悪い時は横振りになることが多い」。体を縦に使う意識で、ブルペンでの投球練習以外にも強めのキャッチボールで確認した。
多彩な変化球が武器でも投球の軸は「しっかり真っすぐを投げる」こと。さらに暑さ対策として食事と睡眠に気を配り「ご飯のお供として食べさせてもらっています」。毎年、高校時代の同級生家族が営む「テルちゃんキムチ」から差し入れのキムチが届く。これが力の源だ。
チームは9連戦の真っただ中。次回こそ粘り強く右腕を振り、白星を手にしてみせる。