広島・鈴木誠 菅野KO弾! 侍対決Gエースから今季3発目 自力V消滅も
「巨人10-4広島」(1日、東京ドーム)
広島は4点リードを守れず、巨人に敗れた。シーズン折り返し前の71試合目にして、自力優勝の可能性が消滅。悔しい敗戦となったが、鈴木誠也外野手(26)は菅野をKOする11号2ランを放った。東京五輪に出場する「侍ジャパン」対決を制する一発。巨人のエースからシーズン3発は14年の広島・丸(現巨人)以来2人目となった。5面にもカープ記事
これが首位を争う巨人と、最下位に沈む広島との差なのか。4点差をひっくり返され、目を背けたくなるような逆転負け。それでも4番は見せ場を作った。2点リードの三回1死一塁。鈴木誠が菅野の144キロ直球を力強く振り抜いた。
センターフライに見えた打球はグングンと伸び、中堅・丸の頭上を越えた。バックスクリーンへの11号2ラン。少し驚いた表情を見せながら、悠々とダイヤモンドを一周した。
「昂也(高橋)の援護になって良かったです」。4-0として菅野をマウンドから降ろすKO弾。東京五輪に出場する日本代表対決は鯉の主砲に軍配が上がった。
これで巨人のエースからは今季3発目。菅野から1シーズンに3本塁打を記録したのは、14年の広島・丸(現巨人)に次ぐ2人目となった。
佐々岡監督は「菅野は調子が良くない感じだったけど、その中でも打線は誠也の2ランなどでしっかりと得点してくれた」と序盤の攻撃をたたえたが…。野手が打てば、投手が崩れる。4点リードに広げた直後から、投打がかみ合わない現状を象徴する試合展開となった。
先発・高橋昂は三回に2点差とされ、四回も乱れて3回1/3を6失点でKO。代わった2番手・島内も、五回から登板した高橋樹も失点。投手陣が3本塁打を含む12安打10失点で試合を壊した。
結局、左翼席が盛り上がったのは序盤だけだった。主砲の奮闘むなしく、71試合目で自力優勝の可能性が消滅。最近10年でシーズン折り返し前に自力Vの可能性が消滅するのは、2013年以来8年ぶり2度目となった。
借金は再び今季ワーストタイとなる16に膨らんだ。それでも、この日「マイナビオールスターゲーム2021」の選手間投票でも選出された4番が、存在感を発揮しているのは明るい話題だ。
2日からはマツダスタジアムで首位・阪神と3連戦。熱い声援を送ってくれるファンのためにも、鈴木誠を中心に巻き返す。