広島浮沈のカギを握るのは鈴木誠也「4番が働かないと浮上はない」と北別府氏
交流戦で9つの借金を作って最下位にまで落ちた広島に浮上の可能性はあるのか。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「チームの4番が実力通りの働きをし、機能しない限り浮上は難しい」と鈴木誠也に奮起を促した。(記録は6月17日現在)
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交流戦18試合で、とうとう先発投手に白星がつかなかったね。5回を持たずに降板した試合が9。この数字を見れば、厳しい戦いを強いられていたのは分かる。
ただ、先発投手だけを責めるわけにもいかい。序盤から先手を取って試合を優位に進めていれば、勝利投手の権利を得られたケースがあったし、試合中盤で代打を送られず続投となる可能性もあったからだ。
投打の歯車がかみ合わないと、どうしてもこういう負の部分が表に出てきてしまいがちだね。
その主な原因は、日本屈指のスラッガーとも呼ばれながら精彩を欠く4番打者、鈴木誠也にあると思う。
4番はチームの顔。やっぱりここが実力通りの働きをし、機能しないとチームはなかなか浮上してこないよね。
4月ごろまでは調子よかったのに、その後がどうしたのか、本来の当たりが少ない。
(3割あった打率は交流戦終了時点で・289にまで下がり、8本塁打、19打点。特に目立つのは打点の少なさだ)
バッティングに粘りがなく、気合の感じられない空振りが目についたりするよね。どっしり感がなくて振らされているイメージ。どうもタイミングが合わない打席が多い。
読みも合ってないんだろうが、内角の変化球にビックリした感じでよけたり、外角の球に体が開いたり。
状態のいときは左のカベが崩れず、速いヘッドスピードで打球が飛ぶし、自然な反応で右方向へ流し打っている。でも、今はそれができていない。
状態が悪くなるとボールを見る傾向が強くなるね。そのため甘い球を見逃したり、打ち損じが増え、最終的に厳しい球で打ち取られる悪循環に陥る。
迷いが生まれるとバットが出てこなくなるんだろうね。ちょっとしたきっかけで元へ戻るんだろうけど。
今年は打撃で何か新しいものに挑戦しているのかもしれない。2年前は追い込まれるとノーステップで打っていた。いろんなことを試み、それができる選手。“これは凄いな”と思ったものですよ。
その過程で起きているタイミングのズレなのかもしれない。
五輪代表に選出されたニュースも耳にしましたよ。現状だけを見れば、外されてもおかしくないのに選んでもらえたのは、プレミア12での実績、ジャパンの顔としての期待だと思うね。
日本屈指のスラッガーだということを大舞台で、世界中に証明してほしいと心から願う。彼には大舞台が似合うからね。
これをきっかけにしてもいい。早く鈴木誠也の打撃を取り戻してもらいたい。誠也のほかにも菊池涼や会沢(負傷により辞退)、森下に新人の栗林も含めてカープからなんと5人が選出された。誇らしい限りだね。
選ばれただけでも名誉なこと。結果はともかく、みんな悔いが残らないよう、精いっぱい自分の力を出し切ってほしい。応援してますよ。