佐々岡監督 広島に「栗林がいて良かった」ドラ1回またぎで連敗止めた

 9回のピンチも無失点でしのいだ栗林(左)と笑顔の石原(撮影・立川洋一郎)
 8回、代打・井領を併殺打に打ち取り笑顔を見せる栗林(撮影・立川洋一郎)
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 「中日3-4広島」(8日、バンテリンドーム)

 スーパールーキーがチームの窮地を救った!広島のドラフト1位・栗林良吏投手(24)=トヨタ自動車=が1点リードの八回1死満塁から登板。プロ初のイニングまたぎとなった中、八、九回のピンチを切り抜け、本塁を踏ませなかった。これでデビューから15試合連続無失点とし、リーグトップタイの9セーブ目をマーク。引き分けを挟んだチームの連敗は6で止まった。

 つながれたバトンに仲間の思いを感じた。熱意を込めた、栗林の23球。しびれる場面でチームを救えるからこそ、全幅の信頼を寄せられる。「出せるものは全部出して、勝ちたいと思ってマウンドに上がった」。プロ初の回またぎで危機をくぐり抜け、連敗ストップの立役者になった。

 1点リードの八回。塹江が1死満塁のピンチを作ると、その後を受けた。「1点も、取られてはいけない場面」。代打・井領には宝刀フォークを4球続けた。結果は1-2-3の投ゴロ併殺。ボールが一塁に転送されると、グラブを叩いて思い切り感情を表した。

 九回は大島に直球を右前打され、京田には直球系の球が乱れてストレートの四球を与えてしまう。無死一、二塁。だがここから栗林-石原のバッテリーが絶妙な配球を魅せる。

 送りバントを試みる滝野を直球、カーブのコンビネーションで追い込むと、カーブで見逃し三振に。続くビシエドにはフォークを5球続けて空振り三振。そして高橋周にはカーブ、フォークと変化球を連投し、最後もフォークで二ゴロに料理。窮地を脱した。

 九回は直球系の制球に苦しみ、ピンチを招いてしまった。救ってくれたのは八回途中から自身の登板と同時にマスクをかぶった石原だ。変化球主体に切り替え、中日打線を封じた。「石原のリードのおかげというか、ああいうところで冷静に考えてくれているのは良かった」と感謝した。

 150キロ超の速球を持つ栗林だが、変化球主体でも抑えられるのも魅力。臨機応変なリードを見せた石原と、それに応えた栗林のコンビが僅差の終盤で輝いた。

 今季は接戦時にドラフト2位・森浦(天理大)と同3位・大道(八戸学院大)を投入するのがパターン。チームは6日から2日間試合がなかったが、両新人はこの日出番がなかった。状態面を考慮したもようで、七回は中田を起用し、塹江も今季初の回またぎ。限られた駒での戦いを強いられた中、栗林も期待に応えた。佐々岡監督は「今のチーム状況と2連戦ということも考えながら。栗林がいて良かった」と最敬礼だ。

 デビューから15試合連続無失点と新人最長記録を更新し、リーグトップタイの9セーブをマーク。チームの4位浮上に貢献し「コロナの中でも友達、家族が応援に来てくれていた。悪い姿を見せたくないというのもありました」。3試合目の地元登板も無失点。末恐ろしいルーキーの“無双状態”は、まだまだ続く。

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