カープ羽月、雨に盗まれ幻の二盗 今季1軍でノーミスの要因は「勇気です」

 「阪神(降雨ノーゲーム)広島」(1日、甲子園球場)

 阪神に強烈な印象を残したはずだ。初回1死一塁。広島・羽月隆太郎内野手(21)が“梅ちゃんバズーカ”をものともせず二盗を決めた。雨脚が強くなり降雨ノーゲーム。幻に終わった5盗塁目は、自身の存在を強くアピールしたプレーだった。

 「思い切ってスタートを切ろうと決めていました」

 3番・鈴木誠の打席。3球目で前へ出た。左腕・伊藤将のモーションを盗むと数歩でトップスピードに乗る。二塁には勢いそのまま、右足から滑り込んだ。

 今季はウエスタンで10試合10盗塁。1軍では失敗がない。要因は精神面だと自己分析した。「一番は、勇気です。行く勇気が去年まではなかった。チャンスだと思って勝負していこうと思っている」

 菊池涼が1番に座って以降、2番は日替わり。それでも4月25日・巨人戦からは羽月が担い、この日で6試合連続スタメン出場した。「相手にプレッシャーがかかる走者がいてくれると非常に動きが出る(攻撃のバリエーションが増える)。貴重な存在」と河田ヘッドコーチ。好調な打撃に加え、走塁面で大きな戦力になっている。

 外野を守れる万能性は大きな武器。スタメン出場を続けられるか、今が勝負のときだ。「1試合1試合が勝負。無駄にせず1球1球全力でやりたい」。若鯉は強い決意を言葉に変えた。

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