広島・中村奨成 G連倒打! 九回代打で大仕事&Vホーム イヤ~な流れ振り払った

 「巨人8-9広島」(25日、東京ドーム)

 若鯉の一振りがチームを救った。6点のリードを追いつかれ、嫌なムードが漂う中で迎えた九回、広島の中村奨成捕手(21)が代打で右越え二塁打を放った。この一打で勝ち越しの好機を作ると、菊池涼の犠飛で生還。宿敵・巨人に競り勝ち、チームは2カードぶりのカード勝ち越しを決め、勝率も5割に復帰。期待を背負うプロ4年目が、これからも存在をアピールしていく。

 一振りで球場の雰囲気をがらりと変えた。二塁塁上でガッツポーズした中村奨。自らのバットで相手に傾きかけた流れを呼び戻し、「チームとして同点に追いつかれた後の次の回だったので、チャンスを作ることができて良かった」と表情を緩めた。

 九回の先頭に代打で出場。中川の高め146キロ直球を力強く振り抜いた。快音を響かせた一撃は、右翼フェンス直撃の二塁打となった。「かなり緊張していた。追い込まれていたので、何とか食らいついていった」。無死二塁の絶好機を作り、代打・三好の送りバントで三進。続く菊池涼が放ったセンターへの飛球で、勝ち越しのホームを踏んだ。

 負ければ今後の戦いに影響しかねない試合だった。八回表の時点で8-2の大量リード。ところがその裏、ドラフト2位・森浦(天理大)が崩れ、急きょマウンドに上がったドラフト3位の大道(八戸学院大)、塹江も勢い付く巨人打線につかまった。打者一巡の猛攻を食らった救援陣。一挙6失点であっという間に同点とされた。

 森浦はこの試合前まで防御率1・42と奮闘し、大道も9試合連続無失点と好投を続けていた。それだけに佐々岡監督は「若い森浦、大道はいい経験になった。野球の恐ろしさを分かったと思う」と次回への教訓としていくことを願った。

 楽勝ムードから一転ヒヤヒヤの展開となったが、チームは今季最多の16安打で2カードぶりの勝ち越しを決め、勝率5割に復帰。27日からは地元に帰り、9連戦が待っている。指揮官は「こういう試合をしたくなかったよ」と嘆き節も、「追いつかれて嫌な雰囲気の中、奨成(中村)があの一振り。よく打ってくれた。勝ったことで疲れは飛ぶ」と若鯉をたたえた。

 プロ4年目を迎えた中村奨にとって今年は勝負の年だ。16日の中日戦ではプロ初安打をマーク。出場機会を得るために本職の捕手だけでなく、外野や三塁にも挑戦している。この日放った勝利へ導く一本は、今後への大きな自信となったはず。勝負強い打撃をアピールした背番号22が、輝きを放っていく。

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