「練習試合、巨人５－１広島」（２７日、沖縄セルラースタジアム）

　結果を渇望していた男が、ようやく存在感を示した。広島・中村奨成捕手（２１）が、対外試合初安打をマーク。１軍生き残りを目指す３年目の若武者が、快音を響かせた。

　七回１死。代打で登場すると、カウント１－１から畠のフォークを振り抜き、三遊間を破る左前打を放った。

　試合前時点で、キャンプ中の対外試合は３試合で４打数無安打だっただけに「とりあえずホッとしています。一本打てて良かった」と少しだけ胸をなで下ろした。

　足でも魅せた。２死後、矢野への２球目。ワンバウンドの投球を捕手がはじく間にスタート。一瞬の隙を逃さず二進すると、羽月の右前打で生還した。「チームのテーマとして日頃から取り組んでいること。僕は足がある方だと思うので、隙なく走塁できたらいい」と果敢に次の塁を狙う姿勢を貫いていく。

　２番手捕手有力候補の坂倉は故障で離脱している。正捕手・会沢に次ぐ１軍捕手枠を磯村、石原らと争っている。

　「しっかり結果を残さないといけないところに居る。とにかく食らいついていきたい」。立場は把握している。だからこそ、歯を食いしばりながら戦い続けていく。