広島の塹江敦哉投手（２３）が１日、広島市の球団事務所で契約更改交渉に臨み、１０５０万増の１９００万円でサインした。今季は開幕１軍入りを果たし、自己最多の５２試合に登板して３勝４敗、防御率４・１７、チーム最多の１９ホールドをマークした。来季も勝利の方程式の一角を担い、若鯉投手陣を引っ張っていく覚悟を示した。（金額は推定）

　充実感いっぱいだった。開幕１軍入りを果たし、途中からは勝利の方程式メンバーとして左腕を振った。８５０万円から倍増以上の評価を受けサイン。塹江は「コロナの影響で苦しい部分もあると思う。その中でプラス評価をしてもらえ、すごくありがたい」と言葉を紡いだ。

　１軍で投げ続けたことで自覚が芽生えた。鈴木誠や大瀬良ら主力と過ごした時間はかけがえのない財産となった。「中心選手がどれだけチームのためを思って行動しているのかを身をもって感じた」と振り返る。

　今季はケムナや島内、遠藤や森下らが台頭した一年でもあった。「そういう選手たちと強いカープをつくり上げていけるように」。来季で７年目を迎える。先輩選手の言動から学びながら若鯉投手陣の先頭に立ち、引っ張っていく心構えだ。

　現在は投球テンポを模索中だ。中崎や日本ハム・宮西のように球を持つ時間を長くするか、対照的に今季最優秀中継ぎ投手になった中日・祖父江のように間合いを短くするのか試行錯誤している。一球の失投がチームの勝敗を左右する。自分にあったリズムを見つけだす。

　「中継ぎをやるのであれば、勝ちパターンに入るのが一番。優勝するために一年間、貢献したい」。決意を新たに、２１年シーズンのマウンドに向かう。