広島投手陣の課題は明確 制球力不足克服に実戦想定の投球練習を 北別府氏が助言

来季の巻き返しに向け秋季練習を行う広島。中央は佐々岡監督
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 プロ野球は公式戦が終了し、21日に開幕する日本シリーズを残すのみとなった。佐々岡真司監督を迎えV奪回を目指した広島は、52勝56敗12分けの借金4で5位に終わった。首位巨人とは13ゲーム差。エース大瀬良大地投手が戦線離脱した投手陣はリーグ5位のチーム防御率4・06、四球は429とリーグワーストだった。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏が、投手陣の今後の課題について語ってもらった。

 ◇  ◇

 今季はコロナ禍の中でコンディションを整えるのは難しかったと思う。その中で九里は一年間ローテーションを守ったし、森下、遠藤、中継ぎの塹江と若い投手が出てきた。大瀬良をはじめ野村が故障で離脱し、K・ジョンソンが計算外の不振でチャンスが巡ってきたというのもあるが、力的には大きく劣るものではなかった。

 そんな中で四球の多さが際だった。例に挙げるとケムナ選手は、中継ぎでいい仕事をしながらも2アウトからストレートの四球を出すなど、いい打者を迎えたときに逃げるような投球をしていた。九里のようにインサイドを攻めると打者もひるむし、インサイド主体の攻撃的な投球は、球数が少なくなるので連投もきくようになる。この様な投球を参考に強打者にも立ち向かってもらいたい。

 チーム四球数は巨人の390に対してカープはリーグワーストの429。巨人の中継ぎ陣は低めにしっかり投げており、数字以上に差を感じた。分からなくもない四球もあるものの、理解に苦しむ四球が多かった。投手出身の私がそう思うのだから野手からすると何をしているのかと思うだろう。無駄な四球は流れを悪くするしリズムも悪くなる。これでは攻撃にも影響する。

 四球を出す原因は、はっきり言えば技術不足。それに加えてメンタル、さらには「真ん中に投げて打てるものなら打ってみろ」くらいの度胸も必要。無死からや2アウトから簡単に四球を出すと自分が苦しくなるのは分かっているのだから日ごろの投球練習からコントロールを意識して投げることが必要だろう。

 これから来季の開幕までに秋季練習、春のキャンプがある。今の野球では練習でも球数制限など管理されており球数を投げることができない。それだけにブルペンで漠然と投げるのではなく、コントロールをつけるフォームを身に付けてもらいたい。

 例えばゴルフの打ちっ放しで手首をこねていたらフックし、送りすぎるとスライスするようにフォームを意識して、こうなったらこうなると頭を使って練習しないといけない。

 また、私が現役時代もブルペンで早めに肩を作り、80球は実戦を想定した投球練習をしていた。ミーティングで各打者の弱点なども分かっている。実戦を想定してキャッチャーとサインを交わしながらインサイドをうまくつく練習していかないと、いつまでたってもコントロールはつかない。気持ちにプレッシャーを与えて練習できっちりできれば自信もついてくる。

 投手陣の課題は、コントロールであることははっきりしている。球の勢いをなくす投球をしろとは言わないが、ある程度ボールを操れるようになれば四球も減るし球数も少なくて済む。課題を克服することを念頭に置き練習に取り組んでもらいたい。

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