広島・西川V2点打 初4番「何とも思ってない」サラリと九里援護

 3回、左前へ先制の2点適時打を放つ西川(撮影・立川洋一郎)
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 「阪神1-5広島」(20日、甲子園球場)

 広島の西川龍馬内野手(25)がプロ入り初の4番に座り、三回2死満塁から左前に決勝の2点適時打。入団5年目、通算463試合目で初めて座った打順で、打線の顔に見合った仕事を果たした。残り17試合で借金9。苦しい状況に変わりはないが、最後まで全力で戦い抜く。

 甲子園に響いた乾いた打球音と共に、白球が鋭く三遊間を抜けた。序盤の分岐点。西川が4番として大きな仕事を果たした。得点圏打率・370の勝負強さ。きっちり2点左前適時打を放ち、九里の背中を後押しした。

 「コンパクトに打つことができた。飛んだ所が良かったですね。ちょうど(野手の)間を抜けてくれました。亜蓮さん(九里)が頑張っていたので、何とか先制したかった」

 0-0の三回だ。鈴木誠が申告敬遠され、2死満塁で出番が来た。ガルシアの外角直球に逆らわずバットを出す。技術の高さを示し、きれいに流し打った。

 9月28日のDeNA戦から、チームは鈴木誠を3番、松山を4番に置いてきた。「松山の調子が悪い中で」と佐々岡監督。西川は7月22日の阪神戦で左腕から3打数3安打。相性も買って、入団5年目、通算463試合目で初めて4番を託した。

 4番はチームの顔だ。勝負強さを求められ、重圧は背負った本人にしか分からないと言われる。それでも西川は「特に何とも思っていない。4番目で回ってくる」とサラリと振り返った。

 試合に出続けることの大切さを知ったシーズンでもある。8月下旬にコンディション不良で出場選手登録を抹消された。1カ月以上も1軍を離れた。自身が不在の間に若手が台頭。2軍から推薦を受けた大盛が必死に食らいつく姿が印象に残った。

 2軍戦に復帰した時には「大盛がたくさん三振をしている」とジョークを飛ばして笑いを誘った。それでも最後には「頑張っているね」と表情を引き締めた。結果を出した者だけが生き残れる厳しい世界。危機感は常にあった。

 残り17試合。「1カ月くらい迷惑をかけたので、何とか残りでちょっとでも返していかないといけない」。この日で全打順での先発出場を“制覇”したが、4番でも5番でも、鈴木誠の後を任されることに変わりはない。チームが背番号「63」に求める勝負強さで勝利に貢献していく。

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