広島・会沢戻ってきた スタメンフル出場「チーム一丸となって勝利を」
「広島1-6巨人」(29日、マツダスタジアム)
頼れる男がグラウンドに戻ってきた。快音こそ響かなかったが、その存在感と信頼度が揺らぐことはない。コンディション不良で戦列を離れていた広島・会沢翼捕手(32)が、1軍復帰後初スタメン。フル出場した姿がファンとベンチに安心感をもたらした。「フル出場して、体的には全く問題なくプレーできた」と本人は状態面の万全を強調した。
27日に再昇格して以降、2試合出番がなかったが「6番・捕手」で先発出場。四回2死一塁の第2打席では、2球で追い込まれながらも四球で出塁した。二回と六回はいずれも二直に倒れたが、野手の正面を突いてのもので、当たり自体は悪くなかった。
ただ、チームは首位・巨人に完敗。この試合最後のチャンスとなった1-5と4点ビハインドの八回は、1死一、二塁で三ゴロ併殺に倒れた。「チームが勝てなかったので、申し訳ない」。好機を逸した打撃と、捕手として6失点した事実に責任感をにじませた。
10日のヤクルト戦、九回の守備で広岡のファウルをマスク越しに受けた。そのまま倒れ込んで球場は騒然。ファンも心配していた。試合出場はその日以来だったが、3時間29分を戦い抜いた。「チーム一丸となって1試合1試合、勝利を目指して頑張ります。それだけです」。扇の要はナインの総意を代弁した。