田中広3戦連続マルチ 借金10広島に救い「現実は受け止めて」直近3戦6割

 1回、先制2ランを放ち、ナインに迎えられる田中広(左)
 1回、右越えに先制2ランを放つ田中広
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 「巨人10-3広島」(21日、東京ドーム)

 逆転負けを喫し、広島は今季ワーストタイの借金10に逆戻りとなったが、救いは今季初の3試合連続マルチ安打を記録した田中広輔内野手(31)の復調だ。初回に先制の5号2ランを放ち、七回には右前打。直近3試合は13打数8安打の打率・615。苦しいチーム状況を選手会長がバットで打破する。

 高々と舞い上がった打球は右翼席上段に突き刺さった。先制の一発。確かな感触を両手に残し、大きく手をたたいた田中広がさっそうとダイヤモンドを一周した。

 初回無死一塁。直江が投じた真ん中高めのボール球を力強く振り抜いた。「上からしっかりたたくことができました。先制点につながって良かった」と5号2ランを振り返った。

 4点を追う展開となった五回には1死一、二塁から四球。長野と鈴木誠が連続三振に倒れて無得点に終わったが、好機を拡大させた。七回には2死一塁から大竹からしぶとく右前打を放ち、今季初となる3試合連続マルチ安打を記録した。

 調子を上げている。7月の月間打率は・197、8月は・136と低迷していたが、9月の打率は・377。直近3試合では13打数8安打の打率・615とバットが火を噴いている。13日の阪神戦以来、6試合ぶりとなる今季2度目の2番に名を連ねている点が好調を裏付ける証しだ。球団広報を通じて「とにかく前で力強く振る意識で練習から打席に入っている」と上昇カーブをたどる要因を明かした。

 チームは首位・巨人に惨敗して連敗。投手陣が崩れ、昨年を上回る今季9度目の2桁失点を喫し、借金は9月14日以来となる今季最多タイの「10」に膨らんだ。入場者数の緩和でこの日の東京ドームには1万7193人が詰め掛け、左翼席にも多くの鯉党が陣取ったが、勝利に歓喜し、熱狂する巨人ファンとは対照的に、赤の集団が盛り上がるシーンは少なかった。

 田中広は言う。「やっぱり今の位置にいる現実は受け止めて。ただ、最後まで諦めずに。ファンの方も多く入っているようになっているので、一試合一試合、いいパフォーマンスを見せていきたい。若い子にとってはいい経験になっている」と前を向いた。チームをけん引する選手会長は、残り試合も全力で戦い抜く。

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